|
の一方で、アメリカの国際貿易センタービルに、テロで乗っ取られた旅客機が 2 機、カミカゼ突撃するという事件が起こった。ペンタゴンにも一機突撃したという。
テロの思想的背景に考え及ぶより先に、こういう事態が起こってしまったという事実にまずショックを受ける。
真っ先に脳裏をよぎったのは地下鉄サリン事件だった。無差別なテロリズムにさらされるとは、なんと身近で戦慄的なことか。それを間近に見るということは、日常が一気に異化されてその後の人生に暗い影響を及ぼすことだろう。それが間近である、ないという境は、ほんの偶然に過ぎない。
いや、そんなことは常日頃から起こっているはずのことだ。不慮の事故であったりあるいは故意の巻き込まれであるかもしれない。ただ、時にその巨大な象徴が立ち現れる。それが、この事件だということなのだろう。そして、改めて日常の偶然に戦慄する。
だからといって毎日が終わってしまうわけではないにせよ、その危険にさらされているという事態に変わりはない。それだけは、忘れないでいた方がいい。そう思う。