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UK の blues rock band、Cream の 1966 年作。
Eric Clapton (g, vo)、Jack Bruce (b, vo)、Ginger Baker (ds) の trio による 1st album であります。Jack Bruce と Ginger Baker はお互い仲が悪かったそうですが、Eric Clapton のたっての願いでこの三人での活動になったそうな。結果、三人が三人とも自らの主張をぶつけ合う、60's jam band の類型をここに生み出すに至ったと。
小生は昔から Cream には茫洋とした image を抱いておって、どうにも焦点の合わぬ、とらえどころのない rock band という印象がありますが、それは彼らの音が psychedelic な彩りにあるからというよりは、楽曲は riff 命のくせに三者三様にオレオレ節を主張しまくるので曲の輪郭がぼやけまくるからではないかと思ったりもします。まぁ、酒だの薬だのでへろへろになりながらやってるからかも知れませんが。後続の Led Zeppelin や Black Sabbath が同じく酔いどれ rock 勢ながら結構職人肌なのに比して、Cream は良くも悪くも脱力系、同時期で言えば Jimi Hendrix、少し後では Beck, Bogert & Appice と同じ雰囲気があります。小生も二十代ではピンと来ない系の音でしたが、年取るとこういう音も面白く感じられてきます。というかしんどい音に辟易するような年頃になったのか。脱力もまた rock、とか言い出したら同世代人にも白い目で見られそうですが。
この album は前半はほぼ Jack Bruce の楽曲、後半は blues cover が大半でありますが、どういう楽曲も Cream 印で見事に収まっているところは流石にこの band の特色が出まくっているというべきか。blues やってるのに blues な泥臭さがあまり感じられない、てのは blues rock band としてどーよという突っ込みもあるでしょうが、それも飲み込んで Cream 色の脱力 jam rock に仕立ててしまうのが彼らの強みでもあります。いやはや、よく出来た album と思います。