Noisy Days in March, 2013

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2013.03.11 (Mon)

The Black Dog / Silenced

 UK の techno 屋、The Black Dog の 2005 年作。
 Plaid の面子が離れてからは中近東 ambient への傾倒が色濃くなっていた The Black Dog というかその名義人 Ken Downie でありましたが、丁度この頃から debut 当時の A.I. 路線に舞い戻ってきます。まぁ、tr.9 "Remote Viewing" みたいに相変わらずの中近東な code work も垣間見えますが、それはそれでよろしい、好きならしゃーないよね Led Zeppelin も同じ轍を踏んでるし。
 Black Dog の音響は、空高く舞い上がるでもなく精神世界に沈み込むでもなく、ただそこにある音響が深堀されて存在するだけである。どこにも向かわず在るようにある音響。futuristic な音響とは遠い音には違いないですが、futuristic なんて言葉は使われた途端に retro な響きにならざるを得ない昨今では、この黒犬の音像はむしろ何でもないが故の強力な磁場を形成しているような気がしないでもない。"Bytes" は今聴いても傑作ですが、あれもまた時局を変えるような album ではなく、ただその佇まいが時代の空気を上手く切り取っていた。"Silenced" もまた、没個性な ambient という風評に埋もれつつ、The Black Dog らしい evergreen な風格を醸す album なのでありました。

log modified: 2013/03/12 01:05:41 JST

2013.03.12 (Tue)

Dave Matthews Band / Crash

 めりけんの rock band、Dave Matthews Band の 2nd album。1996 年発表。
 若い頃に心奪われた album は人生の evergreen とは Lemmy も言ってたような気がしますが、小生もこの album は若かりし頃に良く聞いてました。めたるばっか聴いてた頃でも小生の志向は NWOBHM よりは blues rock 寄りではあったわけですが、見た目かっこええのは NWOBHM であったり LA metal だったりしたわけで、言わば秘境探索な趣で Gov't Mule とか DMB とか聴いていたわけです。今の御時世で DMB がどう評価されてるかは解りませんが、今も昔もこういう鈍臭いめりけん rock は日本市場向きではないので相変わらず冷遇されてることでしょう。まぁいいです、市場がどうあれ小生が好きなんだからしょうがない。つーても DMB で持ってる album ってこれだけだな。機会があれば他の album も聴いてみたいもんですが。
 それはともかく、久々に聴き直しても全編捨て曲なしで涙々な album であります。fiddle と brass band で主戦をがっちり固めて、humor と哀愁に満ちた melody を絡める DMB の王道 rock 路線は既に確立済み。Dave Matthews の vocal はやっぱ湿っぽすぎるとは思いますが、それを差し引いても強力な brass 隊の奮闘がこの album の力強さを牽引しておると思います。solo career を start した頃の Sting が、もしも guitar 弾けて powerful な brass 隊を引き連れていれば、こういう album を世に問うていたかもしれない、そういう風情の album。とにかく強力な磁場を持つ album と思います。小生の青春補正を差し引いても。いやぁ、90 年代の album は面白いねぇ。

log modified: 2013/03/13 04:07:12 JST

2013.03.16 (Sat)

[movie] Real Steel

 Shawn Levy 監督作品、2011 年。
 近未来、大衆の娯楽は robot 同士を戦わせる robot boxing にあった。元 boxer で robot 興行師の Charlie Kenton (Hugh Jackman) は、借金取りに追われつつ全国行脚して robot boxing で日銭を稼ぐ生活をしていた。ある日 Charlie は息子 Max Kenton (Dakota Goyo) の養育権の話し合いに呼ばれる。Charlie は Max の母親と一児を儲けた後、robot boxing にのめり込んで家庭を省みない男だったが、その Max の母親が死に、Max の養育権が問題になったらしい。前の興行で robot を壊された Charlie は金欲しさに養育権を叔母の Debra (Hope Davis) の夫に売り渡し、見返りの金で新しい robot を手に入れる。だが夏の間は Max の面倒を見なくてはいけない。その Max は video game 狂で robot にも詳しいおたくな 11 歳の少年だった。再度の興行でまた robot を壊された Charlie は、Max と共に廃品置き場に掘り出し物探しに出かけるが、そこで Max は古い robot の Atom を見つけ、自らそれを掘り出す。Max はその robot で Charlie に興行を持ちかけるが……。

 だめ親爺と少年の road movie つーと Stallone の映画にあったような気もしますが映画的には美味しいネタなんでしょうね。この映画で言えば Hugh Jackman もだめ親爺の仲間入りということで大いに結構、もう若くないしね。息子役の Dakota Goyo は今は可愛いが歳取ったら小太りになりそうな体型で今からもう心配です。そんな老婆心はさておき、お話は王道路線で、Max はポンコツの robot で王者に挑み、Charlie はかつての boxer だったころの image を robot に投影し、凸凹な親子は魂の奥で通じ合う、ないかにも Hollywood な映画に仕上がっております。Transformers 程ではないにせよ robots の描写は目を見張るものが有り、Atom の shadow 機能で Charlie の動きを模して動くのは見応えがあります。それで終盤も盛り上がりますしね。drama としての捻りは殆ど無いので見終わっても印象は薄いものの、娯楽映画としては充分な出来栄えではないかと。

log modified: 2013/03/17 03:54:21 JST

2013.03.20 (Wed)

Keiichi Oku / Yumekui Merry Original Soundtrack

 TV anime 「夢喰いメリー」の original soundtrack。2011 年発表。音楽担当は奥慶一。
 夢喰いメリーつーたらへそあにめというのが通説ですが小生も異論はございません。残念ながらへそあにめは大きな潮流を作ることなく廃れてしまいましたが、おぱーいだの妹だのの供給過剰に嫌気が差した頃にでも再びふぇてぃっしゅなあにめが復活して頂ければと。へそはともかくお話も個人的には悪くなく、未来に夢見る少年少女の純真な心を美味しく戴こうとする、ってぇシチュは大いに結構。夢もキボーもない、わけでもないですが最近のあにめには dark な養分が不足していると思うのですよ。
 奥慶一と言えば劇伴界では veteran な方ですが、音の方は手癖を殆ど感じさせず、prog rock に ambient に piano 独奏に管弦楽に児童 chorus に hero 戦隊歌唱と、豊かな variation で劇伴の王道を行く style となっております。いや普通の王道ならまだ理解出来ますが、tr.19 "凶夢" のように不協和音も聴かせるとあってはニワカ劇伴師とは比べるべくもない high quality と言わざるを得ない。昨今の劇伴というと techno で minimal でお手軽な風潮ですが、この人は 2 〜 3 分の曲でも結構楽曲を作り込んでるので、その意味では昔気質とも思いますが、昔気質で何が悪い、むしろここまで聴かせてみんかい、と言わんばかりの貫禄。いやはやお見逸れしました。劇伴かくあるべき、な一枚。

log modified: 2013/03/21 02:28:40 JST

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