kazkaz奮戦記&社会批評 by kazkaz of 車輪の下


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私と社会学&社会批評


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■2011年05月31日(火)07:48  生活保護制度 見直し協議開始・・?。筋違いの議論・・。
 受給者が200万人に達した生活保護制度の見直しに向け、国と地方の協議が30日、始まった。双方とも就労支援を通じて受給者の自立を図る点では一致しており、8月をメドに具体案をまとめる。だが、「3兆円を超す保護費の抑制」という本音も透け、「困窮者の切り捨てにつながる」との懸念も出ている。(毎日新聞)

 生活保護費の抑制を図るには、雇用政策が重要であると考えます。生活保護制度自体を見直しても何の解決策にもならないのです。もっと、マクロ的に見て、経済政策をどう立て直すかが重要であるのです。
 長引くデフレ不況。これに震災が加わりました。倒産する企業も多数出ています。それに加え、東京電力の人員削減、パナソニックが1万4000人の人員削減、リコーが1万人の人員削減を打ち出しています。これは、目に見える部分。さらに目に見えない部分での人員削減は相当なものです。
 国の経済政策の失敗を国民に押し付けている。それが生活保護費を増加させている原因なのです。
 今、生活保護制度云々を議論するときではない。国の経済政策をどう立て直すのか、それを議論するときだと思います。働くことのできない人間をどう働かせるかという議論よりも、働く環境を如何に整えるか、それを議論することが大切なのです。残念ながら、何か、筋違いな無用の議論をしているようにしか思えません。お上の考えることはいつもそうです。大局的に見る目が無い。それが問題ですね。

■2011年05月26日(木)11:17  問題は財源なのです・・。
 消費増税と社会保障の一体改革に向けた民主党の社会保障改革案が、明らかになった。焦点の新しい年金制度では、払った保険料に応じて支給される所得比例年金の保険料率を15%に設定。すべて税金で賄う最低保障年金と組み合わせ、誰もが7万円以上の年金を受け取れる構想を掲げる。民主党の抜本改革調査会(会長・仙谷由人代表代行)が26日に正式決定し、30日に開かれる菅政権の「集中検討会議」(議長・菅直人首相)に提出する。
 サラリーマンの年金保険料は、現行では2017年度以降は18.3%(労使合計)で固定。新年金でも会社と折半する。遺族年金や障害年金も設け保険料を上積みする考えで、現行と同程度の水準になりそうだ。(asahi.com)

 −「すべて税金で賄う最低保障年金」の実現は可能なのでしょうか。−

 財源の問題が浮上します。
 消費税増税は、下手をすれば、国家財政の破綻の可能性があります。
 確かにこの政策が実現できれば、老後の不安は解消し、消費刺激効果は期待できます。経済政策としてはある程度評価できるでしょう。
 しかし、問題は財源なのです。財源・・。
 財源の問題を解消できなければ、絵に書いた餅なのです。
 うーむ。今は、何とも言えませんね。

■2011年05月25日(水)11:29  消費刺激政策としての消費税廃止論・・。
【15年までに消費税率10%を検討 政府集中会議】 
消費増税と社会保障の一体改革を議論する政府の「集中検討会議」(議長・菅直人首相)は、現在5%の消費税率を2015年度までに5%幅引き上げ、10%とする方向で検討に入った。6月末にまとめる一体改革案に盛り込む方向だ。(asahi.com)

 昨今、消費税を増税して国家の財源を確保するという議論がされていますが、果たして妥当な政策でしょうか。考察してみます。
 消費税を増税すると、消費の萎縮が起こり、市場が萎縮して経済的にマイナス方向に向かうと考えられます。現に、タバコ増税でタバコの市場が縮小したことはご周知の通りです。増税は経済をマイナス方向に招く要因なのです。また、思った以上に増税効果は発揮しません。
 経済がマイナス方向に向かうと、企業の収益は悪化し、人員削減が加速し、失業者を増加させます。失業者の増加は社会保障費の増加と市場の萎縮を招き、更に国家財政を悪化させます。増税の結果が、経済の萎縮と国家財政の悪化を招き、今以上に国家を破綻させる要因を作り出すと考えられます。
 従って、消費税の増税策は妥当な政策であるとは考えられません。
 効果的に国家の財源を確保するためには、経済を立て直して企業からの収益の還元を図ることが一つの手段です。これを考えることは非常に難しいのですが、逆説的に消費税を廃止する政策を考えて見ます。
 仮定として、消費税を廃止すれば市場の消費が刺激されると考えてみます。
 すると、その刺激効果で企業収益は増大します。その企業収益が増大した企業から消費税相当分の税金と法人税を徴収して国家の福祉財源を賄えば、国家の財政は健全に回復すると考えられます。
 また、企業収益が増大すれば、失業者の増加を抑えることができ、更なる労働者による市場経済の活性化と社会保障費の削減を図ることが可能となると考えられるのです。
 これは、あくまでも仮定の理論です。消費税を廃止すれば消費効果が上がるという前提(仮説)に基づいています。この前提が真であるならば、この仮定の理論も成り立つものと考えられます。
 有効な政策を提言し実行あらしめるには、逆説から考えることも一つの有効手段だと思われます。柔軟な思考が新たな政策を生み出すのです。そう思います。
 今、国民に負担を強いらない政策が求められているのです。それを考えることが重要です。
 そして、安易な増税は経済を萎縮させる可能性があります。慎重な検討が必要です。

追記:本記事をTopicsに追加しました。→「消費刺激政策としての消費税廃止論」

■2011年05月19日(木)04:07  最近・・。記事内容の書き直しが多くなりました。
 最近、記事内容の書き直しが多くなりました。
 これじゃージャーナリストとして失格だとの声もありそうです。
 しかし、決して権力に屈している訳ではありません。
 書き直しを行うのは、要らない発言が伝えたい真意を妨害して誤解を招く可能性を排除するためです。
 そのために、少し時間を掛けて考え直す作業も必要かなと思っている次第です。
 私の哲学は、一貫して社会には労働が必要であるということです。
 そのためには、強い経済政策を打ちたてて、如何に失業者を労働者に転換させるかを考えることが重要になります。
 決して社会保障を悪だと思っている訳ではありません。
 しかし、今の国家が有効な経済政策を打ち出せず、経済政策の失敗の穴埋めとして社会保障費の財源確保に躍起になっている姿を見ているのは釈然としないのです。
 今、国家は、日本復興のために、何をやらなければならないのか。
 それを提案する責務があると感じています。

 私も私なりに考えていますが、中々いい知恵を考えることができません。政治家・官僚だけに頼っていても埒が明かないので、皆さんでいい知恵を出していきませんか?よろしくです。

■2011年05月15日(日)09:30  考える正義論・・。共通の正義と個別的正義。
 政治哲学の本と法哲学の本を読みました。
 政治哲学の本は、ハーバード大学教授のサンデル氏の”これからの「正義」の話をしよう”と、その解説本である小林正弥氏の「サンデルの政治哲学」です。しかし、この政治哲学の本、アリストテレス,カント,ロールズ等の「正義論」を本格的に読まなければサンデル教授の本意やその最終的に意味するところの「正義」は理解できない気がします。大体は分かるんですけどね。日本的な政治哲学の本にも触れたいところです。
 また、法哲学の本は、小林和之氏の”「おろかもの」の正義論”を読了しました。おもしろい本ですが、最終的に「正義」の基準とはなにかを掴むことはできませんでした。敢えて言えば、生命の価値基準ですかね。それをどう考えるかを読者に投げかけている気がします。
 ところで、この世に絶対的正義なんてないと思う私ですが、困っている人を助けることは「正しい」という価値基準は、古来から誰しもが共通に抱く正義の概念ではないでしょうか。その淵源を考察すると、「正義の概念」は、基本的な道徳・倫理・宗教等の思想に端を発しているものと思われます。
 人は、生まれてから、これらの思想を家庭・学校教育・社会環境で学びます。子供の頃に培われたこれらの思想が、大人になってからの正義と悪を峻別する価値基準となるわけです。ですから、子供の頃の教育は人格を形成する上で極めて重要になります。その点、歪められた教育を受けた者は、どこか人格に欠点があるものです。犯罪者の多数が、この人格の欠落者であることはご周知の通りです。
 誰しもが心の中で抱いている共通善としての正義が「人を救うこと」であったとしても、実社会で行動の基準となるのは各人の正義(利害関係)です。利害がその人の事理分別の価値基準であり、行動基準になります。この点は、功利主義に近いものがあります。各人の欲求を満たすことが価値基準になる訳です。そしてそれが各人にとっての正義となります。
 民主主義の多数決原理は、この利害関係の調整弁です。この多数決原理は、その対立する利害(対立する正義)の調和を最大限に図ってこそ共通の善としての正義と考えられます。
 私にとって、正義を考えることは永遠のテーマです。また、哲学してみます。

追記:表題を変更しました(2011/05/16)。
追記:内容を変更しました(2022/05/19)。
追記:Topicsに本記事を追加しました。→「考える正義論」(共通の正義と個別的正義)

■2011年05月12日(木)08:40  正義論としての労働保障論・・。
 古来から哲学の分野で「正義論」が議論されてきた。今日、ハーバード大学教授のサンデル氏の”これからの「正義」の話をしよう”でアリストテレスの正義論が注目を浴びている。
 アリストテレスの正義論は、その所属するコミュニティにおいて、共通に認識される共通善を正義の基準としている。そして、各人に各人のものを配分すること,すなわち、「配分的正義」が正義の基調とされる。
 そこで、今日、我々が所属する日本国家というコミュニティにおいて、最も重要な共通善としての正義とは何かを考えてみる。
 資本主義経済が飽和に達し、経済が縮小し、大量の失業者(大量の社会保障者)を生み出す世の中となった。太平洋沖震災は、それに拍車をかけている。
 人が人として生きがいを感じるのは、達成感のある仕事をして、その報酬として賃金を受け、自由に生きていけることである。社会保障の恩恵を受け、つつましく暮らすことは、人間としての尊厳を尊重しているとは云えない。
 確かに、暮らしに窮している者を救済する社会保障制度は、一見美徳に見える。しかし、これは翻って考えてみると、国家の産業政策の失敗を穴埋めしているに過ぎない。
 すなわち、国家の共通善としての正義は、失業者の社会保障にあるのではなく、反対に全国民に労働環境を保障する産業政策としての労働保障政策にある。
 各人の能力に応じて仕事を保障することが、配分的正義としての共通善である。
 憲法では、「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」と定められている(同法27条1項)。
 この勤労の権利は、国家は、勤労の機会を実質的に保障する責務と失業者に対する生活配慮の責務を負うことを規定したものである。この規定は、正義論に適う。
 今、国家は、全国民に対して共通善としての労働保障を行わなければならない。
 それが、国家コミュニティでの正義である。

追記:本記事をtopicsに追加しました。→「正義論としての労働保障論」

■2011年05月09日(月)04:17  核処分場、モンゴルに計画…日米。
 【ウランバートル会川晴之】経済産業省が昨年秋から米エネルギー省と共同で、使用済み核燃料などの世界初の国際的な貯蔵・処分施設をモンゴルに建設する計画を極秘に進めていることがわかった。処分場を自国内に持たない日米にとって、原子炉と廃棄物処理とをセットに国際的な原子力発電所の売り込みを仕掛けるロシアやフランスに対抗するのが主な狙い。モンゴルは見返りとして日米からの原子力技術支援を受ける。だが、東日本大震災による東京電力福島第1原発事故で日本政府は原子力政策の抜本的な見直しを迫られており、「核のゴミ」を第三国に負わせる手法に批判が出そうだ。(毎日新聞)

 核のゴミを第三国に背負わせるのも問題だが、原子力安全神話が崩壊した今、日本はこれからも核エネルギーを利用し続けるのだろうか?
 新しいエネルギー政策を構築する必要性を感じる。
 しかし、核に変わる新しいエネルギーを生み出すことは非常に難しい。
 政策転換は果たして可能であろうか?
 今以上の耐震型の原子炉を構築してこのまま核エネルギー政策を持続するという手も考えられる。しかしながら、新しい原子炉の建設予定地を決めようとしても、その地元住民が反発することは必至だ。
 国民の理解の得られる政策を提言して頂きたいものである。

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