2013.03.31
酒は未来を救う2013
注目は奈良萬、遊穂
チャリティ試飲イベント「第5回 酒は未来を救う」に行って参りましたのでそのレポートをいたします。
まず参加蔵ですが日本酒蔵は35蔵、ビックネームと言えそうなのは「開運」くらいかなと思いましたが、
若手の蔵元や杜氏さんの意欲的な取り組みを大いに楽しめそうな、
近年マスコミに良く取り上げられる新進気鋭の注目蔵が集まりました。
出品酒の傾向としては流行なのかもしれませんが、「華麗な大吟醸」や「インパクト勝負の生原酒」などが減少し、
食中酒向きのものの伸びが見られるようです。
(前々回のレポートです。)
「料理あっての酒、酒あっての料理」を常々訴え続けてきた当研究所にとっては、誠に喜ぶべき状況となりました。
そんな中、数多くの試飲のうちで今回私が注目した銘柄として「奈良萬」と「遊穂」を上げさせていただきます。
まずは「奈良萬 純米 瓶火入れ」、しっかりとした旨味に適度な酸味が加わりそれでいてタッチは柔らかい。
実にバランスよくまとまってとても完成度の高い酒ですね。大七、飛露喜など、大御所、個性派ひしめき合う福島にあって、
決して忘れてはならない蔵となった実力が、如何なく発揮された逸品と言えるでしょう。
これ一杯飲めば蔵の力量が並ではないことがよくわかります。
そして「遊穂」は山おろし 純米の火入。お燗でいただきましたが、味の厚み、キレともに抜群です。
先ほどの「奈良萬」とは対照的にエレガントさはまったくありませんがワイルドさがたまらない魅力を発しています。
肉汁が滴るようなパンチのきいた料理「はじめ人間ギャートルズが食べるマンモスの肉」なんかが売ってれば、
是非併せてみたいですね。肉で日本酒が飲みたい方には絶対のお勧めです。
そしてもう一つ目についたことが、今回はこの「遊穂」をはじめ「いずみ橋」などいくつかの蔵がお燗を用意していたことです。
10年前の試飲会ではお燗酒なんて考えられませんでしたけど、これも時代の流れなのでしょう、実にいい傾向ですね。
私は何も、香華やかな吟醸酒や淡麗辛口の酒を否定しているのではありません。
ただそれ一辺倒だった時代を否定しているのです。
「料理やシュチュエーションに合わせてお酒や飲み方を変えていく」これこそが成熟した酒文化なのではないでしょうか。
この会でも一端が垣間見えように、最近、世の中がやっとそれに近づいてきた気がします。
残念なことが1つだけ、ひいきの蔵の前で動かない方が多く流れがとても悪くなる時が多かったことです。
蔵の方とお話ししたい気持ちもわかりますが、試飲会なので多くの種類を味見したいという方が多いはず。
やはり流れは大事にしてもらいたいですね。悪気はないのでしょうが、
ちょっとした気遣いでみんな気持ち良くやれるのではないでしょうか。
まあ、このようなことはありながらも、中々いい試飲会でした。機会があればまた来たいと思います。
参加蔵、醸造所は下記の通りでした。
< 日本酒 >
浅間山 阿桜 阿部勘 新政 一白水成 いづみ橋
屋守 尾瀬の雪どけ 開運 賀儀屋 鶴齢 月山
賀茂金秀 紀土 小左衛門 佐久乃花 七田 七本槍
大那 盾野川 玉川 天宝一 天明 奈良萬 萩乃露
播州一献 富久長 鳳凰美田 豊香 宝剣 美和桜
陸奥八仙 遊穂 来福 若波
< 焼酎・泡盛 >
赤鹿毛 旭萬年 壱岐っ娘 いも麹芋 くじら 蔵の師魂
けいこうとなるも 小牧 軸屋 常徳屋 多良川
杜氏潤平 豊永蔵 情け嶋 やきいも黒瀬
<ワイン>
麻屋葡萄酒 アルプスワイン 越生ブリュワリー
甲斐ワイナリー 勝沼醸造 甲府ワインポート
シャトージュン 蒼龍葡萄酒 高畠ワイン
タケダワイナリー マルサン葡萄酒 丸藤葡萄酒
山梨ワイン ルミエール
2013.03.27
お花見
富士桜
◆本日の晩酌
・かに玉
・きのこと根菜の煮物
・茎わかめ漬け
・「るみ子の酒」特別純米酒 7号酵母 瓶火入れ 19BY
お花見の季節がやってきました。近所の桜がもうそろそろ満開になりそうです。
去年の晩酌雑記帳では4月の12日に元荒川の土手が見ごろと言ってますので、
それに比べるとかなり早い花見となりました。
研究所では本年も昨年同様「富士桜」のミニ盆栽を晩酌に供しております。
それにしても本日の酒「るみ子の7号」46度のお燗でいただきましたが抜群ですね。
(冷でもいただきましたが、お燗に比べると正直言って相当見劣りいたします)
ここまで寝かせたのですからやはり定石通りお燗が正解でしょう。
ググッと味がのり厚みがでて、穏やかな「るみ子」からちょっとイメチェンした感じ、
良い意味で期待を裏切る味です。やはり4年も引っ張っただけのことはありますね、さすが今宮酒店です。
世の中では空前の熟女ブームらしいのですが、お酒の世界にもその影響が及んでいるのでしょうか?
今回の「るみ子」人間の女性でいえばだいたい48歳くらい。
これで美味しそうと思った貴方は、もうその世界に足を踏み入れてると思って間違いありません。
もう戻ることはできないのでしょう・・・。
2013.03.19
三陸 冬から春へ
3月ピンポイントの晩酌です
◆本日の晩酌
・大船渡産真鱈の粕漬け
・松藻の酢の物
・筍のめかぶ和え
・鷹勇 特別純米
またまた大船渡産の食材での晩酌です。先日いただいた鱈は神亀の純米粕1年物に1週間漬け、満を持しての登場。
加えて本日いただいた滅多にお目にかからない生まつも、筍には今がまさに旬のめかぶを併せ、
冬から春に代わる3月らしい食卓となりました。
磯の香りがほんとに素晴らしいめかぶは若布シーズンの終わりを告げる食材です。
我々大船渡の人間には常識なのですが「若布を刈り取ったあと残った茎の根っこの部分(切株のようなもの)がめかぶなのだ」
という事実を知らない方が意外に多いのですよね。
昔は地元三陸だけの味覚でしたが、最近はここ埼玉でもたまに生のまま売っているのを見かけるようになりました。
時期は3月4月だけですけど、カップで売っている味付けのものとは色も香りも段違いですから、
みなさんもぜひ購入してみてください。
めかぶのわかりやすい説明です。
2013.03.11
復興祈念の晩酌です
大好物だらけです
◆本日の晩酌
・生牡蠣(陸前高田 広田湾産)
・大船渡産の刺身盛り合わせ(真鱈と水蛸)
・三陸産毛蟹
・牡蠣の味噌グラタン
・米鶴 大吟醸 「盗み吟醸」
Dちゃんが三陸の牡蠣をどうしても食べたいと言うので、知り合いに頼み大船渡の魚屋から送ってもらいました。
クール宅急便のトロ箱を開けると、何と1kgもの生牡蠣。
いままでもちょこちょこは食べていましたが、これだけ本格的な三陸の牡蠣を見たのは震災後初めてです。
まだ、震災前の水揚げには程遠い中で、1kgもの牡蠣を送ってくれたなんて、本当にありがたいですね。
相当無理してくれたんじゃないでしょうか。
そして私の好きな毛蟹や真鱈も入って、この日のトロ箱はまるで宝石箱です。
それにしても、こうも好物ばかり揃うともう言葉がありません。
復興を誓う、3月11日に相応しい超豪華な晩酌、なんか元気がでてきましたね。
2013.03.06
真蟹漬
しょっぱさ史上最強
◆本日の晩酌
・からすかれいのムニエル
・ローストビーフと茹で野菜のサラダ
・真蟹漬の粕和え
・鷹勇 特別純米
Dちゃんから佐賀土産「真蟹漬」をいただきました。アンチョビよりも、酒盗よりも、こんか漬よりもしょっぱい、
とてつもなくしょっぱい食べ物です。九州の食べ物はどん引きするくらい大量の砂糖を投入した甘い味付けも多い中、
このしょっぱさは異色といえるでしょう。しょっぱいのが好きな東北人の私でも仰天のしょっぱさです。
そして蟹の殻ががりがりするとてもワイルドな食感。知らずに食べた人は「何かの間違いか」と思うかも知れません。
年寄りや子供にはかなりきつい食べ物です。
このワイルド系珍味「真蟹漬」を食べやすくできないものかと、私 一計を案じましたのが本日の粕和え。
包丁で丁寧に細かくたたき、神亀の1年熟成粕を加えたものです。
強烈な磯の香りと粕の風味が、互いに主張し合うインパクト系の珍味に仕上がりました。
ぐいぐい酒がすすみますよ。
今回は粕を真蟹漬の約1.5倍加えましたが、これでもまだアンチョビ並のしょっぱさ。
もとは一体どれだけ塩を入れているのでしょう、恐ろしい食べ物です。
「いやー、世の中にいいろんな食べ物がありますね」改めて感心した本日の晩酌でありました。