Dr.遠藤のピジョンセミナー


  
 
    
(南三陸連合会)

  
  
昭和22年岩手県千厩町に生まれる.同48年日本大学歯学部を卒業後、歯科医院を開業し現在に至る.
 
 およそレース鳩はベルギーの地で約200年前の発祥とされる。 その頃の鳩が、どの様な体型で、
 
 どの様な性能を具備していたかは知る由もないが、現代のレース鳩としての性能と比較した場合、
 
 比較対照にならないものであったろうと考えられる。
  
 そのようないわばレース鳩の源鳩から、今日の発達改良されたレース鳩へ到達するまでの、先人達の
 
 労苦に思いを馳せながら、ピジョンスポーツの今日的理論を展開したいと考える。
 
 
 ただし筆者も多忙を極める仕事を有し、かつ種々の芸術に身を置く者でもあり、さらに浅学非才でも
 
 あるので、この理論の展開は、レース鳩に対する自分の研究の中間点と解釈して欲しいし、持論でも

 あるので参考になる点があれば採り入れ、疑問な点は切り捨てる。 いわゆる取捨選択をして欲しいと
 
 考えている。
 
 
 今後12回に亘り、各論を展開する事になったが、鳩レースの成功に特効薬はなく、さらに道標にも
 
 近道はなく、平素の管理、鍛錬、研究が遠回りの様に見えても、最短の近道である事を肝に銘じて
 
 欲しいと思う。
 
 
 昨今のレースが、大羽数で実施される事は運営上、極めて意義深い事ではあるが、いたずらに大羽数を
 
 参加させて、勝利のみに猛進する事をやめ、熟練の職人が選び、磨いた俊鳩で勝負する鳩界になって
 
 欲しいと考えるものである。
  
 さあらば鳩公害などの社会的問題も緩和し、失踪鳩の野生化などという眉をひそめたくなる様な事象も
 
 少なくなると思うからである。熟達の職人は、芸を磨き、その生涯を終えるという。
 
 レース鳩を飼育するレースマンも、職人の域に到達してほしいと願うものである。その最良の方法は
 
 学習、研究以外にはないと確信する。
        
 
            目  次
 
  1. 総論、鳩体の構造
     1−1. 鳩体論の為の基礎知識・鳩体構造    ・・・・・1 
     1−2. 皮 膚・眼・平 衡 器        ・・・・・2         
     1−3. 骨 格・筋 肉            ・・・・・3          
     1−4. 循 環 系、脳・神 経 系      ・・・・・4
 
  2. 種鳩の選鳩                   ・・・・・5
     2−1. 地 域 特 性            ・・・・・6
     2−2. 頭 脳                ・・・・・7
     2−3. 眼による能力判断と体力の推測     ・・・・・8
     2−4. 体の色による分類           ・・・・・9
     2−5. 筋肉・翼・まとめ           ・・・・・10
    
 
  3. 交配の方法
     3−1. 選手鳩作出              ・・・・・11
     3−2. 種鳩の作出              ・・・・・12
     3−3. 体型による交配            ・・・・・13
     3−4. 眼による交配             ・・・・・14
     3−5. 交配前の準備             ・・・・・15

  4. 実践作出論                   ・・・・・16
     4−1. 交配日の決定             ・・・・・17
     4−2. 交配前一週間から・産卵以後      ・・・・・18
     4−3. 検卵                 ・・・・・19
     4−4. 孵化時のチェック・脚環挿入時のチェック ・・・・20
     4−5. 15日目チェック・巣立ち時チェック  ・・・・・21
     4−6. 産卵中の親鳩の管理・巣立ちの時期   ・・・・・22

 
  5. 疲労回復を科学する
     5−1. 疲労回復についての考え方・精神的疲労 ・・・・・23
     5−2. 飼料についての考え方         ・・・・・24

 
  6. 長距離フライヤーの為の調整ポイント
     6−1. 長距離レースについて         ・・・・・25
     6−2. 追い風地方の為の調整         ・・・・・26
     6−3. 逆風地方の為の調整          ・・・・・27
     6−4. レース参加方式の違い         ・・・・・28
     6−5. 育雛中のレース参加          ・・・・・29
     6−6. 科学者の非科学的側面         ・・・・・30
     6−7. レース期間中に注意せねばならない事の雑想 ・・・31

 
  7. シーズン・オフのメンテナンスとその方法     ・・・・・32
     7−1. レース鳩のメンテナンス 育雛     ・・・・・33
     7−2. レース鳩のメンテナンス 運動     ・・・・・34
     7−3. レース鳩のメンテナンス 投薬・飼料  ・・・・・35
     7−4. 油をふいたトリのメンテナンス     ・・・・・36
     7−5. 種鳩の作出終了後のメンテナンス
          7−5−1. 頑健さのチェック    ・・・・・37
          7−5−2. 作出時疲労の除去    ・・・・・38
     7−6. 今春作出された若鳩の舎外       ・・・・・39

 
  8. 梅雨期の管理と若鳩の基礎トレーニング      ・・・・・40
     8−1. 梅雨期の管理             ・・・・・41
     8−2. 若鳩の基礎トレーニング考       ・・・・・42
     8−3. 病鳩発生の場合            ・・・・・43
     8−4. 梅雨期の舎外             ・・・・・44
     8−5. 鳩レースの王道            ・・・・・45

 
  9. 若鳩のトレーニングとそのセオリー        
     9−1. 若鳩のトレーニング考         ・・・・・46
     9−2. 鉄は熱いうちにうて          ・・・・・47
     9−3. 飼料について             ・・・・・48
     9−4. 換羽考                ・・・・・49

 
 10. 秋レースに向けての放鳩トレーニング    
     10−1. 換羽と放鳩訓練           ・・・・・50
     10−2. 放鳩訓練              ・・・・・51
     10−3. 秋レースに向けて          ・・・・・52
     10−4. 訓練前の健康チェック        ・・・・・53

 
 11. 秋レースの戦い方とそのメンテナンス
     11−1. 若鳩レースの調整法         ・・・・・54
     11−2. 性能検定              ・・・・・55
     11−3. 秋レースのメンテナンス       ・・・・・56
     11−4. 若鳩の後日帰りについて       ・・・・・57
     11−5. 秋レースと並行して来春の作出計画を  ・・・・58

 
 12. シーズン・オフはデスクワークの季節       ・・・・・59
     12−1. シーズン・オフの管理とポイント   ・・・・・60
     12−2. 種鳩の管理             ・・・・・61
     12−3. 鳩舎内の衛生            ・・・・・62
     12−4. 科学者と勝負師           ・・・・・63
     12−5. 広い視野で見る           ・・・・・64

 
 13. ピジョンレーサーの病気とその対策        ・・・・・65
     13−1. 回虫                ・・・・・66
     13−2. トリコモナス症           ・・・・・67
     13−3. サルモレラ症            ・・・・・68
     13−4. コクシジウム症           ・・・・・69
     13−5. まとめ               ・・・・・70