Dr.遠藤のピジョンセミナー



  2.種鳩の選鳩   頭脳
         
  体型を大まかに頭に入れて、それぞれの地域に合致したものを選んだならば次の課題は頭脳の選択で
 
  ある。 レース鳩は優れた帰巣性を必要とする事は誰でも理解しているが、外見上でこれを判断する
 
  事は困難な作業である。
 
  したがって、これは血統において判断せねばならない点が多い訳であるが、ここで鳩に於ける血統書の
 
  性格を考えてみよう。
 
 
  鳩の血統は登録している機関がなく、それを客観的に証明する法がない。
 
  したがって、昨今、鳩界をにぎわすような事態まで惹起される。
 
  人間のオリンピックでいうならば、カール・ルイスやベン・ジョンソンの様に、一挙手一投足を注視
 
  されているような世界的銘鳩でさえもその真偽がうんぬんされる。
 
  これは血統書が客観的に証明できる方法がない為に起きた不幸な出来事である。
 
  その責任を追及する事はしない。
 
  なぜならば筆者も、自己の証明印のみでしか、自分の作出した鳩を証明できないからである。
 
 
  話が若干脱線したが、筆者の言いたい事は要するに鳩の血統書は作出者が記す以上その作出者が
 
  信用に値する人物であるか否かを、確実に自分で判断をせねばならないという事である。
 
  鳩の血統書は犬とか牛とかの動物と異なり形態上の表現はなくレースでの成績を重視したものである。
 
  極論すれば、鳩の血統書は、すなわち能力(頭脳)の遺伝を証明するものであるといえる。
 
  したがって、頭脳の判断のいちばん確実なものは成績(先祖を含めて)をできるかぎり正確に記した
 
  血統書そのものである。
 
 
  この血統書が信頼できるという事を前提にして、さらに頭脳が遺伝的に優れたものかどうかを判断
 
  するには、眼の構造による判断がよい。


 
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