|
|
9.若鳩のトレーニングとそのセオリー 飼料について | |
舎外トレーニング時の飼料は、筋肉を形成する時期であるから舎外が終了した後の給餌はタンパク源を 多目に、舎外の前の給餌は炭水化物を主体とした餌に分けて与えるのが理想であるが、炭水化物八割、 タンパク質二割程度の配合飼料で十分である。 飛びが悪くなったらタンパク質を減じ、大麦を混入すると飛ぶようになるものである。 タンパク質が多すぎると、良いエサのように思われるが、消化吸収が複雑で体内毒素が発生しやすく、 いわゆる自家中毒の状態となって体調を著しく低下せしむる事がある。 若鳩時に一度体調を大きく崩すと、成鳩になってすっかり回復したように見えても、体の中に弱さが 必ず残り、活躍鳩にはなりにくいものである。 健康鳩でさえも活躍鳩を作るのが至難の技なのに、いわんや、体質虚弱鳩をやである。 ましてや必要な栄養を選択して食せないレース鳩にとって配合飼料の配合割合は慎重に考えなければ ならない問題である。いずれ飼料については回をあらためて述べてみるつもりである。 一般に言われる"良いエサ"とは若干濃厚なものをさす場合が多い様だが、鳩の体にとって真に良い エサは軽い、炭水化物主体のものであると、ここに述べておきたい。 舎外運動をして体を鍛える時期は若鳩の成長期である訳で、新陳代謝も活発であるから、鉱物飼料を 十分に与えて、週二回程度の水浴も必要である。 水浴をする日は好転の日を選んで午前に実施することである。 午後の水浴は体温が低下して体調を崩す一因となる事を憶えておいて欲しい。 また疲労の回復の一助にアミノ酸である玄米酢を与えると体内の排泄回路が機能し、運動による体内の 乳酸の排泄に役立ち、疲労が回復する方法である事を力説したい。 量は二リットルの飲水器に約五ml(キャップ一杯)が適量である。 舎外がついて二、三周したら、一度五キロ程度の放鳩訓練をしておくと、理由は定かではないが、 舎外失踪が少なくなる。 これは遠くから話されても帰巣するという本能に目覚めるためではないかとも思われる。 是非実行したい事である。 若鳩にはさまざまな特性があり、限りない可能性を有している。 そのような若鳩にワンパターンのトレーニングを繰り返し、ワンパターンの飼料を与えていたのでは、 可能性を自ら縮小しているともいえる。 いろいろな経験をさせ、さまざまな飼料を与えて、その可能性を引き出して伸長させる事が若鳩時の もっとも必要な事だと思うのだが・・・・・・。 −48− |
|
|