Dr.遠藤のピジョンセミナー



  7.シーズン・オフのメンテナンスとその方法   レース鳩のメンテナンス 育雛
  
  
レース鳩のメンテナンス 育雛
 
  今春のレース成績はいかがだったでしょうか。
 
  結果の良否に関わらず結果については素直に反省しなければならない。
 
  レ−スの成績が良くなかった場合は、鳩そのものの問題なのか?調整法の誤りだったのか?
 
  更にレースの展開がハードだったのか?など様々なファクターをインプットして総括しておかなければ
 
  ならない。
 
  この事はデスクワークであるので夜なり余暇を利用してしっかりと見据える必要がありそうだ。
 
 
  一方、春のレースで疲労した鳩達は来たるべきシーズンに備えて疲労を取り除きリフレッシュする
 
  必要がある。
 
  低温下での春のレースを飛翔した訳であるので、その疲労も蓄積され、並大抵ではその疲労が抜けない。
 
  疲労が抜けないとせっかくの記録鳩・経験鳩は後のレースで役に立たない憂き目を見る事になる。
 
 
  それでは、どの様にして疲労を抜くのがベターかといえば、それはひと腹育雛するのが良いと考える。
 
  なぜなら春は生殖のシーズンで当然生殖ホルモンの分泌が活発で、育雛する事が自然だからである。
 
  抱卵、育雛する事で、精神的な安定が与えられ、生殖ホルモンも使用され自然のサイクルに入る。
 
  鳩レースそのものが人間の人為的行為であり自然サイクルでないから、体のリズムは確実に変調を
 
  きたしているはずである。そのサイクルを自然のサイクルに戻す事によって、体のサイクルを自然に
 
  戻し、疲労も回復するものの様である。
 
 
  また、育雛は来シーズンに使翔する際に巣房への愛着を増加し、その結果安定した帰巣性を得る事
 
  にも有効と考えられる一石二鳥の妙手でもある。
 
  さらに作出する事で作出された鳩がいかなる成績を残すか種鳩としての後代検定も可能になり有益な
 
  方法である。
 
 
  良い選手鳩を見つけるのはレースの洗礼を受けるので困難な事ではない。
 
  良い種鳩、子孫が繁栄する種鳩を見つけることは容易な作業ではない。
 
  こう考えるときに、種鳩としての能力を垣間見るこの方法は、是非とも実行してほしいものである。
        
                                   
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