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4.実践作出論 15日目チェック・巣立ち時チェック | |
十五日目頃になると、羽色も明確になってだいぶ鳩らしくなる。 この頃に最も注意すべきは、巣箱の中の動作である。 周囲の変化に興味を抱き、防御体勢をとれる鳩は、先天的に本能の優れているものであろう。 この時期は、乳ビから粒の餌に親鳩からもらう飼料が変わるので、一般的に骨格の成長が優先し、 若干やせた感があるが、そうは見えない様に管理するのがポイントである。 消化の良いとりわけ玄米の様な養分の豊富なエサが好成績を得るようだ。もち米もまた良いものである。 なおこの時期に羽毛の先端が開くが、その開いた羽毛の先が白い色をしたもの(刺とか白毛を除く) は虚弱である。 このチェックは将来を推理するに充分なものである。 即ち、ヒナがフ化して巣立ちまでの期間、一貫して巣皿の周囲が乾燥していたか否か、さらに鳩自身を 握った場合、ジットリ汗をかいたような状態でなく、非常に乾燥しているかどうかが肝心である。 この先は、乾燥度の良好な鳩だけを残したとして話しを進めよう。 鳩の健康度の最もたるものは骨髄での血液産生は活発か否かである。 骨格の弱いものは内臓が弱く、内臓の弱いものは骨格も弱いものである。 骨は内部に骨髄を有し血液産生に関すると共に重要な神経が通っている為、筋肉等で保護された深部 にある。 背中の中には脊髄が通り頭脳に直結するため鳩は外敵に襲われても、反転して、一番丈夫な大胸筋を 向けて行く事からも、背中の保護は必要不可欠である。 このような骨格系が弱いことは生命維持の点からも良いものとはいい得ない。 まず鳩を握って脇の下に親指と人さし指をいれ、両指に力を入れて、鎖骨の反応力をみてみよう。 強い反発を感じるほどであってほしい。 洋の東西を問わず、およそチャンピオンと呼ばれる鳩は、必ずここが屈強である。 これは飛翔する事によって後天的に獲得する形質かもしれないが幼時にその素質は見出せる物である。 −21− |
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