Dr.遠藤のピジョンセミナー



 11.秋レースの戦い方とそのメンテナンス   秋レースと並行して来春の作出計画を
  
  ともすると秋レースに没頭するあまり種鳩の管理、分析の手が抜けるものであるが秋レースと併行し、
 
  自鳩舎種鳩の作出能力の分析を進める必要がある。
 
  まず換羽が順調に進んでいるか否か?換羽が遅れている鳩(極端に)は体内にどこか不調原因を有して
 
  いる場合が多く、いかに銘鳩であっても来春の作出に期待は持てない。
 
  完全な体調のものでさえ好鳩作出は困難なのに、ましてや不調な鳩からの好鳩作出は望むべくもない。
 
 
  秋レースに参加する前の舎外、放鳩訓練での失踪鳩を多く作出する鳩もあまり芳しいものではない。
 
  鳩レースは帰舎する事が条件なので、失踪する鳩を多く作出する種鳩は目的と合致しない。
 
  断固たる処置を講ずべきである。
 
  人情として一羽でも好成績鳩を作出した鳩は好種鳩と判断しやすいものであるが、好種鳩はそのライン
 
  上に、何羽もの好成績鳩を輩出するのが常である。
 
  たった一回きり、などというものは、たまたまレース展開上の好条件で起きた現象と捉える以外に方法
 
  はない。 いつまでもたった一回のラッキーにすがる愚は避けたいものである。
 
  とにかく確率の高いもの、勝率の高いものと追いつめていくのが成功の早道である。
 
 
  本誌にも、ピジョン研究所を筆頭として貴重な研究、および参考となる文献が多数発表されている。
 
  また、成功者の勝因も数多くのべてある。
 
  我田引水の部分はあるにせよ、参考になる部分には素直に耳を貸し、参考にして自らの強化を図る
 
  事が肝要である。
 
  人は勝っても負けても、前進をはかり、ひたむきに前を向いて進む事が貴重であって有頂天になったり、
 
  他説を否定したりする愚は厳につつしまなければならない。
 
  なぜならば鳩レースを通じて、人格をも陶冶したいものと筆者は考えるからである。

                                            
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