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6.長距離フライヤーの為の調整ポイント レース参加方式の違い | |
レース参加方式の違い 気象以外に考えなければならないことに、分離、ナチュラル等の配合鳩の有無、さらには配合した ナチュラルシステムの鳩舎では産卵に伴う抱卵のテクニック等の、いわば補助的なテクニックによる 能力未発揮部分の開発を狙うものが挙げられる。 まず長距離レースに於いて分離かナチュラルかの問題であるが、若鳩の場合は間違いなく分離方式の 方に利がある。 五百キロ終了後に雄雌分離をするいわゆるセミWシステムが良いようだ。 特に追い風コースにおいてはセミWシステムを採用する鳩舎がメス鳩を使翔して、しばしば大量帰還に 成功しているのを多く見る。 オスに追われたり、抱卵していたのを見たりすると若鳩の場合、発情の セーブがしにくく、精神的に不安定な状態となって失踪に帰結するケースが多いだけに若鳩に限っては 独身参加がベストだと考える。 次に成鳩の抱卵テクニックであるが、オス鳩の場合は精神的に落ち着き巣房に対する愛着が安定する のはおよそ、抱卵一週間程度であろう。 それ以上の深抱きは、運動不足につながり体重増加の状態となり、非常に飛翔しにくい体調となる。 ことにも、オス鳩は、昼に抱卵するので、丁度、運動をしている時間帯での運動不足のゆえに必要以上 、 想像以上の体重オーバーになるのだと考えられる。 営巣する事によって、帰巣性が高められるかの問題であるが、抱卵する事によって、巣を意識する 事は確かであろうが、放鳩地までの時間および放鳩現地での滞在等に時間的な経過を考えると、営巣に よって抱卵が効果を有するのは、輸送等に時間がかからない短・中距離に限定されるのではないかとも 考えられる。 むしろ鳩の本能の帰巣性が度重なる放鳩・・レースの経験的学習によって放されたら帰るの繰り返しで 体で習得されるのであろう。 メス鳩の抱卵であるが、メス鳩はオス鳩に比して、深抱き(十三ないし十六日)でのレース参加が ベターであろう。 メス鳩はオス鳩に比較し産卵直後までオスに追われエサを食する事さえままならず、さらに産卵の 作業は、鳩の体にとって大変なストレスであって、体の疲労も大きいものがある事は当然である。 そこで、できるだけ期間を稼いで抱卵によって体の動きを抑え疲労を回復せしめると、丁度十三日 頃から浮力が増加して軽くなってくるのが感じられる。この頃がタイミングである。 長距離参加のベストなタイミングの期間は非常に短いものである事を自覚すべきである。 絶好のタイミングを逃すと、こと長距離レースに関しては、なかなか成功をおさめる事が難しく なるものである。 少しでも調子の下降が見られた場合、首をかしげたくなる場合が見られる場合は、勇気を持って参加を 見合わせる事である。 長距離レースは真に鳩の極限状態に迫るものであって、ほんの少しのミスが、未帰還へと結びつく ものである。 鳩そのものの判断で確信を持てる時のみ参加させたいものである。 −28− |
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