Dr.遠藤のピジョンセミナー



  6.長距離フライヤーの為の調整ポイント   逆風地方の為の調整

  
逆風(向い風)で長距離レースとなると鳩に対する負荷は倍化する。
 
  従って分速は低下し、帰還することさえも容易ならざる状況を呈する。
 
  米国の鳩レースの賞状をかつて見たことがあるが、その賞状の項目に風がフォロー(追い風)か、
 
  アゲインスト(向い風)かを記す部分がある。
 
  この事は、とりもなおさず風がそのレースの難易度を判断するに重要な役割を果たしているからに
 
  他ならない。
 
 
  この様な逆風を正面から受けて長距離を飛翔する事の因難さは状況を脳裏に浮かべてみても察しが
 
  つくと思う。
 
  この状態での帰還をクリアする為に必要な体の調整を考えてみると、まず逆風にあおられてもなおかつ
 
  推進力を得られる様な状態、すなわち重心が前にあって、かつ重力のある事が必要とされる。
 
  この様な状態に調整するには、鳩のストレスを除去し鳩舎の中でゆったりと、十分なエサをひろわせ、
 
  それも要求するものを多く与える事が大事で、舎外も強制で追ったりせずに自由舎外で飛びたい様に
 
  気なりにさせる事が肝心である。
 
  そうする事により、鳩は若干野生的になり本能が強く発現してくる。
 
  レース鳩の帰巣性が本能であるならば、野性的に自然流に飼育した時、その本能は十分に発揮されると
 
  考える。
 
  逆風コースでは、オス鳩の活躍が目を引き、やや高目の骨格が好成績を得る確率が高いとされる。

             
                                 
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