Dr.遠藤のピジョンセミナー



 13.ピジョンレーサーの病気とその対策    コクシジウム症
  
  コクシジウム症はコクシデイアと呼ばれる単一細胞の生物によって発生する病気である。
 
  コクシデイアはほとんど総ての鳩が有している。
 
  したがって成鳩は大量に繁殖すると死に至る。
 
 
  ・症 状・・・コクシデイアに侵された細胞は破壊される。すなわち腸壁細胞の多くを壊し、その為に
 
   消化作用が損なわれ、感染鳩はいつも下痢に苦しみ、フンは水っぽいソーセージ様になる。
 
   コクシデイアによって侵された腸壁は、サルモネラ等の侵襲を容易にする。
 
   したがって、これらの病気と複合感染が危険なものとなる。
 
 
  ・病気の進行・・・@臨床的に病気の状態に至らない形態
 
   感染、保菌していても、腸内での菌バランスがとてれいるか、あるいは極めて少量の場合は
 
   臨床的に症状を認めないが、常にコクシデイアを排泄している。
 
   A急速な激しい経過をとる形態
 
    普通、生後二週間程度の幼鳩に起こる。
 
    激しい水様性の下痢症状を呈し、血液が混じるものもある。
 
    この様になると鳩は衰弱し、無気力となり、二次的なバクテリアの感染によって死亡する。
 
 
  ・検 査・・・やわらかな水様性の、そして時には水のような便をする様になったら、この病気を
 
         疑う事である。 検便にて容易に判断が可能である。
 
 
  ・治 療・・・症状を見せても、見せなくとも、ほとんどの鳩が保菌類なので、年に数回サルファ剤を
 
   中心とした薬品を用いて全鳩を、飲水添加にて予防的に治療すべきである。
 
   症状を激しく呈する鳩はチビタ社のスルファメザインならば、二リットルに一袋を五日間与え、
 
   二日間休んだ後に再び二〜三日与える。
 
 
  ・予 防・・・鳩舎の清掃とストレスを減ずる事である。 とりわけ鳩へのストレスは体調を落とし、
 
   抵抗力を減ずる事から、病気の発生につながるので可能な限り統制する事である。


                                              
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