Dr.遠藤のピジョンセミナー



  8.梅雨期の管理と若鳩の基礎トレーニング   病鳩発生の場合
   
  細心の注意を払っても、若鳩は見るもの全てが初体験で、数多くのストレスが加わるものである。
 
  そのストレスがある一定以上のものとなると病鳩が発生する。
 
  もしもふくれていたり、下痢をしているのを見たり、クシャミを連発する鳩がいた場合は即座に隔離
 
  して欲しい。
 
  他の鳩が感染する危険に瀕するわけだから、鳩舎内を清掃し消毒をほどこす。
 
  病鳩には成鳩と違って、症状の進行が早い若鳩であるから抗菌スペクトルの広範囲な抗生剤を用いるか、
 
  最近、特に細菌疾患に多く用いる様になってきた合成の抗菌剤を用いて治療して欲しい。
 
  意外に初期の場合は早く治癒するものである。
 
  また、伝染性の強いものなどの場合は、最寄の獣医師の指示を受けてその他の方法を考えてほしい
 
  ものである。
 
  本質的に病気治療の素人療法ほど恐ろしいものはない。
 
  病気を進行させたり、重篤な症状にしたりでは鳩が可哀想である。
 
 
  もう一つ、この時期は塩分の多い鉱物飼料の周囲は、いつも湿っている。
 
  これは、塩分(塩化ナトリウム)が空中の水分を吸収して、潮解したためである。
 
  このような鉱物飼料は木製の容器に入れて、この時期だけでも毎日交換してほしいものである。
 
  若鳩も羽毛の交換が始まっているので、鉱物飼料は必要不可欠なものである。
 
  カルシウム分等を多く摂ることによって健康な鳩の骨材ができるわけである。

                                            
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