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1. 総論、鳩体の構造 皮膚・目・平衡器 | |
鳥類の皮膚は、飛翔目的の為に極めて非薄になっている。他の動物と異なるのは、皮膚に汗腺、脂腺を 有さず、鳩の脂粉は尾部(尾のつけ根の背側)にある脂腺から分泌する脂肪を羽毛につけて防水する。 次に羽毛は皮膚から発生する。羽毛は抱卵一週間程度の卵内ビナからでき始める。 従って各論の作出、交配の項で述べるが、配合して産卵をした段階で雛の良し悪しが決定されると いわれる所似がそこにある。 一般的に薄い表皮に、あのように立派な羽毛が生えているという事を信じ難い向きもあろうかと 思うが、外傷で皮膚がむけた時には、中には筋肉しか見えない事を殆どのフライターは経験的に理解 していると思う。 クチバシや足は、鳥類が爬虫類由来のものである事を裏づける様に、皮膚が角質化して骨を覆い、 かつウロコ状構造をなしている。 鳩の目は、他の鳥類に比し非常に優れた遠近調節機能を有し、かつ眼球自体が頭蓋骨と比較した場合、 他の動物より非常に大きい。 このことは眼球自体が頭部の中で、極めて重要な役割を有している事を如実に物語っている。 かつまた脳中枢と最も短い距離で結ばれている器官で、これを細部に亘って研究を続けると、およその 頭脳の善し悪しを推察することができるのも、脳中枢に近いためであろうと思われる。 目の構造は交配作出の際に、最も重要な部分を占めるので、次項で詳述する。 しかし、鳩の虹彩は赤、橙、黄、緑、青、藍、紫のいわゆる虹の七色で出来ている事は記憶しておいて 欲しい。 今では下火となり、一時のパラミクソ騒ぎは殆ど鎮静化され、大変喜ばしい事であるが、パラミクソに 羅患した鳩が、首を振るという恐ろしい症状が数多く見かけられた。 これは、内耳にある三半規管<カタツムリ管>の片側が羅患すると、平衡感覚を損ね首ひねりの症状が 出る訳である。鳩を手で掴んで鳩体を上下すると頭の位置を同じ所にとどめようとする反応がおこるが、 これは、この平衡器の作用である。飛翔する際に、バランスを保つための感覚がこれによって司られて いるので非常に重要な器官であるといえる。 −2− |
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