Dr.遠藤のピジョンセミナー



  7.シーズン・オフのメンテナンスとその方法   レース鳩のメンテナンス 運動
  
  
レース鳩のメンテナンス 運動
 
  次に運動について考えてみたい。 どのようなスポーツでも一番問題な事は、そのスポーツに達した
 
  筋肉を充実させる事である。 筋肉はなかなかできにくいもので、弛みない運動によって徐々に発達
 
  していくものである。 白筋にせよ、赤筋にせよ、発達のスピードは遅い。
 
  一方、筋肉は使用しないと急激に萎縮するものである。例えば運動選手が骨折するとギブスをする

  だろう。 そうすると二、三日運動しないだけで筋肉が萎えてしまう。
 
  この筋肉をつけ直すためには十倍もの運動と時間を要すとされている。そんな事で例を引くが、レース
 
  を終えた鳩を、種鳩小屋にしまいこんで疲労を除く一般的な方法は、あまり好ましい事とはいえない。
 
  急激な運動の休止もせっかく鍛えた筋肉の萎縮につながったのでは何もならない。
 
  従って筆者は疲労を除きながら、筋肉を落とさない方法として自由舎外を推めたい。
 
  しかし、自由舎外は田園地方ならともかく、都市外では困難な事が多いと考えられるので、定時舎外
 
  でもやむを得ない。
 
  ただし、できる限り鳩を太らせて運動すれば、飛翔スピードも飛翔時間も短くてすむので、適度な
 
  ジョギング程度の運動になると思う。ただし若鳩と同一のスピードの乗った舎外をさせる事は危険が
 
  伴うので注意したいものである。疲労を抜くどころか疲労させる事になるので注意したいものである。
 
  若鳩と同一の舎外を開始するのは十月の末頃からで十分であると考えられる。

                                           
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