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2.種鳩の選鳩 体の色による分類 | |
鳩のクチバシ、羽毛の色の濃度、ツメの色などから、便宜上、鳩を分類してみよう。 この事は、好鳩を作出する為の交配をする際に重要な役割を果たす。南三陸連合会の(キ)系確立者、 金野正家氏が考察した仮説に筆者が考証を加えて今日的解釈とした分類法である。 文章にして表現する場合、若干難解かと思われるので写真を用いてみる。 写真Aを見てほしい。 Aのクチバシはアメバシである。 背中の腰の部分は白い羽毛である。 腹の方を見ると腹の色は流れたような斑を呈し、かつ赤サビ色を含む。 ツメにも白い色を有している (アメヅメを含む)。 この様な鳩を『白系鳩』と称する。 次に、写真Bをよく観察してほしい。 写真Aと比較して同じ羽色、B(灰)で表現されるが、 ずいぶんと違うのがわかるだろう。 クチバシはあくまで黒く、腰の色は灰一色で白の混入はない。 胸から腹にかけても灰一色で統一され、翼の羽毛も、一枚一枚が黒っぽい色で囲まれた様な汚れた 灰色を呈している。さらにツメの色も黒い。この様な鳩を、『黒系鳩』と称する。 この黒系鳩と白系鳩を両極端にして腰の色、胸腹の色、翼の羽毛の色、ツメの色などが複雑に混じり あった鳩を『中間色系鳩』と総称する。しかし、この中間色系鳩にも羽毛の色の明度(灰色の羽毛の 明度)によって黒系鳩に接近した中間色系鳩、白系鳩に接近した中間色系鳩、真に中間に位置する 中間色系と分類される。 写真A 写真B A 黒系鳩 この種の鳩は、全体的にドロ灰の色素が多く、眼の色の色素も暗いものが多い。 ヒナで生まれたばかりのものを見ると、皮膚も黒く、かつ、クチバシ、脚、ツメともに黒く、成鳩に なっても眼環さえ黒いものがある。 この種の鳩の特徴は、体力的頑健さに代表される。 いわゆる体力派である。 したがって、病気に対する抵抗力も強い。 筋肉は硬く、羽質の柔軟性にも欠ける。 能力的にも劣り、失踪の確率が高い。 筋肉が乳酸化されやすく、見た目より疲労の回復が遅い。 愛鳩の友誌のGCH、CH、RCH認定鳩を見ると、この黒系鳩をベースに、翼、頭部、クチバシ、 ツメなどに白の色素(俗に刺毛)を混入した鳩が多く見られる。 分析するに、それらの鳩は経年的に 飛翔を続けた鳩が有資格な様なので、体力的に頑健な鳩(黒系鳩)に、刺毛を混入して、能力的に改善 した鳩が、認定されるようなレース成績をおさめるのではないかと考えられる。 B 白系鳩 白系鳩は黒系鳩と正反するものと考えればよい。 体質的に弱いのが最大の難点だが、切れはある。 管理技術に自在の妙を有する者は、究極的に白系鳩に近い中間色系鳩で競翔に向かうであろうが、その 場合でも体質的に劣悪化に向かうので交配鳩として、黒系鳩および黒に近い中間色系鳩をもたねば ならない事を銘記すべきである。 C 中間色系鳩 中間色系鳩はレースの際に黒、白両系鳩の中間にある為最も容易な管理で好成績を残す事が出来、有用 であるが種鳩として用いる場合は、黒系×白系で出来た鳩である為に雑種となり一度、黒系、白系に 戻した後でないと、好鳩作出の確率が低くなる。中間色系×中間色系は、なかなか好鳩が作出されない。 −9− |
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