Dr.遠藤のピジョンセミナー



  6.長距離フライヤーの為の調整ポイント   育雛中のレース参加
 
  
育雛中のレース参加
 
  しばしば、育雛中の鳩の参加によって好成績を残した事例を耳にすることがある。
 
  ソノウ壁の研究は、常陸宮殿下が御専門で大変な御研究をなされ、御報告されておるわけであるが、
 
  雛が孵化して初期には、乳の分泌量は異常に多く、したがって、この自らが分泌したピジョンミルクが、
 
  ヒナに与え残ったものが、消化管から吸収され、動物蛋白吸収によるコンデションの上昇がみられる。
 
  ヒナが孵化して、ニ、三日は脂粉も吹き、羽毛も密着してベストコンデションに到達するのを見る
 
  ことができる。 
 
  しかし、分泌が多量の時にレース参加をすると、吐くこともあって、筆者は疑問に思う。
 
 
  かつて吉田直紀日本鳩レース協会理事がドッグフードを与えてコンデションのアップを狙い、日鳩理事
 
  でもあった故江原実氏は小鮒の粉を与えて成功し、筆者の友人、ニュー仙南連合会の鈴木喜美夫君は
 
  養豚用のペレットを与えて成功をおさめている・・などの例を引いても動物蛋白の少量の投与は
 
  コンデションをフォルムに到達させるのに利便のあるもののように考えられる。
 
 
  レース鳩本来は、穀物を主食としているだけに、動物蛋白等の消化吸収方法については、その詳細は
 
  明らかでないが、ピジョンミルクを消化吸収できることから動物蛋白は消化できるものであろうことは
 
  推察できる。
 
 
  雛を持たせてのレースはそれら動物飼料の使用によって補うことが可能であると思われるので、回避
 
  するのが本来の道であろうと考えられる。
  
                                 
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