Dr.遠藤のピジョンセミナー


  1. 総論、鳩体の構造   循環系・脳、神経系
         
  循環系の中では、心臓が最も重要である。
 
  心臓による血液の安定供給は飛翔のみならず日常の健康状態を大きく左右し又長距離を何度も飛翔した
 
  鳩は、心臓に負担がかかりその結果として、心臓が肥大した鳩が多いのを解剖の結果、検証している。
 
  いわゆるスポーツ心臓であろう。
 
  この心臓の肥大は肺を圧迫しその結果としてガス交換の効率を下げ、疲労しやすい体となって性能が
 
  低下する。 長年無理を続けた鳩が年々成績を低下するのはこの為である。

    
  脳、神経について、その構造を問うのは賢明ではない。
 
  鳩の脳の中で必要な部分は、瞬間的な反射神経と運動神経それとレースの際の帰巣能力を発揮する為の
 
  知能の部分である。
 
  これらは後天的な要素を若干有するものの遺伝による部分が多く、従って訓練等によってできる獲得
 
  形質の部分が最も少ない所である。
 
  いわゆる血統がものをいうのは、頭脳部分が最大のウエートを占める事はいうまでもない。
  
  
  以上、総論的に述べてきたが、レースで好成績を残す最大の要素は、まず鳩の性能であり、その性能を
 
  いかにして十分発揮できるかは、使翔者自身の技量にかかる部分である。
 
  次回より12回に亘り、鳩について選鳩、交配、作出、訓練、レース使翔法、鳩のメンテナンス、
 
  薬品および副食物等について、各論として細部にメスをいれるつもりでいる。
 
  どうぞ、楽しみながら読んでいただき、参考にしていただければ幸甚である。

 
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