試験に出題されるのは、以下の基本式とその応用問題である!!
1.濃度の問題
1)基本式であり汚水に適用されることが多い…ここで重量とはBOD量、COD量、SS量など
濃度〔mg/L〕=重量〔mg〕/容量〔L〕 注:Lはリットル
2)応用として汚泥に用いれば
汚泥濃度〔kg/m3〕=重量〔kg〕/容量〔m3〕
汚泥濃度の計算では、濃度の単位 mg/ Lを g/m3 と書いたほうが計算がしやすい。
2.除去率の問題…入ったモノから出たモノを引いて差を求め、それを入ったモノで割り、100倍する。
除去率〔%〕={(流入BOD〔mg/L〕−放流BOD〔mg/L〕)÷流入BOD〔mg/L〕}×100
3.槽容量を求める…槽容量は滞留時間から算出するものと、負荷率から出すものとの二とおり。
1)滞留時間から求める方法。
槽容量〔m3〕=流量〔m3/時〕×滞留時間〔時〕
2)BOD負荷率から求める方法。
槽容量〔m3〕=1日の流入BOD量〔kg-BOD/日〕/BOD容積負荷〔kg-BOD/m3・日〕
4.いろいろな負荷率
1)BOD容積負荷…槽容量1m3あたり1日に何kgのBODを負荷させるか。
BOD容積負荷〔kg/m3・日〕=流入BOD量〔kg/日〕/槽容量〔m3〕
2)沈殿槽水面積負荷…沈殿槽の水平面積1m2あたり1日に何m3の水量を負荷させるか。
沈殿槽水面積負荷〔m3/m2・日〕=流量〔m3/日〕/沈殿槽水面積〔m2〕
3)沈殿槽越流堰負荷…越流堰1mあたり1日に何m3の水量を負荷させるか。
沈殿槽越流堰負荷〔m3/m・日〕=流量〔m3/日〕/沈殿槽越流堰長さ〔m〕
5.ばっ気強度…ばっ気槽(又は接触ばっ気槽)の容量1m3に対し、1時間あたりの送風量
ばっ気強度〔m3/m3・時〕=送風量〔m3/時〕/槽容量〔m3〕
注:送風量を求める問題は単位が〔m3/時〕でなく〔L/分〕になっていることも多い。
6.発生汚泥量を求める。汚泥を濃縮して汚泥量を減量する。あまり難しくない。
1)汚泥の発生量を計算する。
発生汚泥量〔m3/日〕=流入BOD量〔kg/日〕×BOD除去率×汚泥転換率/汚泥濃度〔kg/m3〕
普通、この式は問題に書かれているので、覚えない。
2)汚泥を濃縮して引き抜き汚泥量を減らす計算。必ず出題がある
含水率(水分)が示されていたら、まず汚泥濃度に変換する。
例:含水率99%の汚泥を含水率98%にしたら、汚泥の総容量はいくらになるか?
含水率99%は汚泥濃度で1%。水分98%は汚泥濃度で2%。
単純に1÷2で汚泥の総容量は1/2になる。
つまり、濃縮すると引き抜き汚泥量は[濃縮前汚泥濃度÷濃縮後汚泥濃度]になる。
7.返送汚泥のように循環する流れがある場合。----物質収支を取る(難しそう)
下図のように、ばっ気槽に流入するもの=ばっ気槽から出てゆくもの を書いてみる。
・ばっ気槽に流入するBは流入水のSS(A)と返送汚泥のSS(D)の合計。
・ばっ気槽から出てゆくものは、ばっ気槽内のSSつまり(MLSS)。
・これから、ばっ気槽への入/出は同じとして、下記の式が出てくる。
Q×Si+R×Sr=(Q+R)×MLSS
・汚泥返送率はR÷Qだから、上の式にQ=1と入れると、Rが返送率になる。
・式を整理すると、
R=(MLSS−Si)÷(Sr−MLSS)
・場合によっては、流入水のSS(Si)を無視する場合がある。
式などは憶えなくても、物質の[入と出]をジックリ考えれば計算式は自然に出てくるものだ。