法律の体系について

 まずはじめに「建築基準法」を例に簡単に法律の体系を知る。

法律国会の議決を経て制定される法→建築基準法
政令内閣の発する命令→建築基準法施行令
省令各省大臣の発する命令→建築基準法施行規則
告示法の認定・解釈・処分に関して公示されるもの→昭和55年建設省告示第1292号

浄化槽法

法の目的と水質基準

公共用水域等の水質保全
 ・し尿及び雑排水の適正な処理を図って、生活環境の保全・公衆衛生の向上に寄与

水質基準
 ・BOD20mg/L以下、及びBOD除去率90%以上。
 ・ただし、「みなし浄化槽」に関してはこの限りでない

   注:浄化槽とは「合併処理浄化槽」をいう。既存単独処理浄化槽は「みなし浄化槽」という。

直近の法改正(令和元年6月19日公布)

1.「特定既存単独処理浄化槽」に対する措置(附則第11条)
 都道府県知事は、「特定既存単独処理浄化槽(※)」の浄化槽管理者に対し、生活環境の保全及び公衆衛生上必要な措置をとるよう助言又は指導することができる。

<※特定既存単独処理浄化槽とは? 11条検査結果等から判断して、そのまま放置すれば生活環境や公衆衛生上支障が生じるおそれのある緊急性の高い既存単独処理浄化槽。

2.「公共浄化槽」制度の創設(法第12条の4~第12条の17)
 市町村が設定する「浄化槽処理促進区域内(※)」の単独処理浄化槽を使用する住民が同意した場合には、市町村が設置する浄化槽(公共浄化槽)の使用・接続を義務化する。

※浄化槽処理促進区域とは? 自然的・経済的・社会的諸条件からみて浄化槽によるし尿及び雑排水の適正な処理を特に促進する必要があると認められる区域を指定することができる。

■令和元年に改正されたばかりだけど、特定既存単独処理浄化槽と公共浄化槽に注目

製造する時は

工場生産品の型式認定
 ・工場生産品(FRP製ほか)浄化槽は国土交通大臣の型式認定を受ける。

■有効期間5年間で更新が必要(法第13、16条)

設置等の届けは

浄化槽の設置には二とおりある
 1)建物の新築時に設置→建築確認申請(建築主事に申請)→建築基準法
 2)便所の改造設置届け(都道府県知事と、知事経由特定行政庁に申請)→浄化槽法第5条
    21日間は改善、変更命令が可能→21日間は工事着工できない

■認定浄化槽は10日
構造・規模の変更
 ・軽微な変更は届け出が不要
    軽微とは?:方式の変更が無く、規模(人員・汚水量)が10%以上にならない
■10%未満ならよい(省令第2条)

設置工事に当たっては

浄化槽工事の定義
 ・浄化槽の設置及び構造、規模の変更をいう(法第2条)
建設業法との関係
 ・軽微な工事は建設業法上の許可は不要である。(軽微とは500万円未満のその他工事で、浄化槽はその他工事に含まれる)
 ・浄化槽法では、工事金額にかかわらず下記の知事登録が必要
浄化槽工事業者
 ・都道府県知事の登録 ■有効期間5年→だから5年で更新が必要
 ・複数の都道府県にまたがる場合は、都道府県ごとに登録
  ・特例浄化槽工事業者:建設業法上の管、土木、建築工事業者は登録不要。ただし届出を行い、浄化槽設備士を置く(法第21条)
浄化槽工事の技術上の基準
環境省・国土交通省の共同省令である[一から十七号まで規定]
・これに従わない場合は知事は工事業の登録取消、又は6ヵ月以内の事業停止を命じることができる。省令第1条

浄化槽設備士について

・浄化槽設備士免状は国土交通大臣が交付する
営業所ごとに設備士を置く(移動あれば2週間以内に措置)
・設備士は実地に監督する
・設備士は浄化槽設備士証を携帯する
営業所ごとに帳簿を保存する→年度末に閉鎖し、5年間保存
営業所ごと、現場ごとに標識を掲げる

保守点検

・保守点検は管理者が年1回以上行うことが原則。ただし、専門業者(保守点検業者)に依託できる:法第10条他
501人以上の浄化槽では「技術管理者」を置く
保守点検の技術上の基準に従うこと
・保守点検の回数は省令で定める
最初の点検は浄化槽の使用開始前
・点検の記録は3年間保存する

■保守点検・清掃は資格や数字が問われる

管理者がよく出てくるが、その浄化槽の所有者、占有者等で、その浄化槽の管理について、権原を有するもの:法第7条

保守点検業者の登録:法第48条
・都道府県は登録制度を条例で定めることができる
・登録の有効期間は5年以内(実態は3年)
浄化槽管理士を置く
・器具を備える
・浄化槽管理士免状は環境大臣が交付する
・清掃業者に連絡できる
保守点検の技術上の基準
環境省令である一から十八号まで規定]
・これに従わない場合は知事は10日以内の使用停止を命じられる

清 掃

管理者の義務:法第10条他
 ・清掃は管理者が少なくても毎年1回行うことが原則(ただし、浄化槽清掃業者に委託できる)
 ・清掃の技術上の基準従うこと(下記参照)
清掃業者:法第35条
 ・市町村長の許可を受ける(汚泥の収集、運搬等を一体的に行う場合は、廃棄物処理法第7条に基づく一般廃棄物処理業の許可も必要)
 ・器具を備えること  ・帳簿を保存すること(5年間)
清掃の技術上の基準
 ・環境省令である(一から十三号まで規定)

法定検査(二種類ある)

7条検査(設置後等の水質検査)
 ・使用開始後3月経過日から5月の間に行う。(使用開始後3〜8ヶ月の間)
 ・設置状況と水質検査(BODあり)
11条検査(定期検査)
 ・毎年1回行う
 ・保守点検、清掃が正しく行われ、機能が正常かを検査 (BODもあり)
7条、11条共通
 ・7 条、11 条いずれも管理者の責務
 ・いずれも指定検査機関が行う
 ・検査機関は毎月末までに前月中に実施した検査の結果を都道府県知事に報告
 ・知事は必要がある場合、浄化槽管理者に対し、必要な指導、助言、勧告及び処置ができる

■管理者の責務が頻繁に出題される
指定検査機関
 ・原則として一都道府県に一機関
 ・民法第三十四条の公益法人で、都道府県知事が指定する(複数の都道府県にまたがる場合は環境大臣)法第57条

浄化槽の廃止

 ・浄化槽を廃止した場合は30日以内に都道府県知事に「廃止届」届け出る

その他

 1)国又は地方公共団体は、浄化槽の設置について、必要あると認めた場合には、所要の援助その他必要な措置を講ずるように努めるものとする。法第51条
 2)市町村はその区域内で収集された浄化槽内の汚泥、スカム等について、当該市町村のし尿処理施設で処理するように努めなければならない。法第52条