構造−各槽のポイント3

前処理部

沈 砂

 文字どおり汚水中の砂(比重2.5程度)を沈降させて除去するもので、ポンプの羽根車の磨耗を防ぎ、処理槽に砂が溜まって有効容量が減少するのを防止する。

 比重が大きいこともあって、数分程度の短い時間沈殿させれば十分である。又、ばっ気しながら沈殿させるばっ気沈砂槽も使われている。これは砂に付着した有機物がばっ気によって洗われ、下部に溜まるため、引き抜いた砂の取り扱いが楽になる。

スクリーン

 汚水中の夾雑物を除去するもので、目幅20〜50mmの粗目(荒目)スクリーン目幅5〜20mmの細目スクリーン目幅1〜2mmの微細目スクリーンを適当に組み合わせて用いる。ひっかかった夾雑物は手または自動で排除するが、微細目スクリーンはその目幅から考えても自動にならざるを得ない。ばっ気型スクリーンのばっ気の意味は、砂についた有機物を洗い落すのと、スクリーンの閉塞を空気で防ぐことだが、必然的にカスの貯留部は大きくなる。

 自動スクリーンの一例。動画サイトへ

流量調整槽

 流量調整槽は汚水の流入ピークをカットする槽で、一定の流量で汚水を二次処理に送るために余分の汚水を溜めておく槽と、汚水を揚水するためのポンプ、この汚水を計量して所定量だけを送るための分水計量装置からなっている。

 この槽のポイントは、所定量の汚水が日平均汚水量の何倍かである。これを排出係数といい、構造方法第6の20mg/Lでは1.0倍である。

平成18年1月末日をもって廃止された構造方法第2の60mg/Lと第3の30mg/Lの排出係数は日平均汚水量の1.5倍。この排出係数が大きくなればなる程、流量調整槽の容量は少なくてすむが、処理性能は不安定になる。

 排出係数が1.0の場合は、日平均汚水量の1.0倍をポンプで移送させるので、ポンプは1日24時間中(24/1.0=)24時間フルに動いていることになる。