山止め工事

山止め工事の工法

 いろいろな工法があるが、木矢板、鋼矢板、親ぐい横矢板 の3つは憶えよう。下表にそれらの比較表を示す。

○は長所、●は短所

工 法採用の条件使用材料の長所及び短所
木製矢板
(松材)
最近は見かけない
簡単な山止め
・浅い掘削深さ
・トレンチ工法の場合
・親ぐい工法の横矢板として使用
○軽量で取り扱い、加工性が良い
○任意の断面形状が製作可能
●強度が小さい
●反復して使うには耐久性がない
●腐食、折損がある
鋼矢板
(シートパイル)
水密性を必要とする場合
・ヒービング、ボイリングのおそれがある
・軟弱地盤で横矢板が挿入できない場合
○耐久性がある
○修理が利く
○反復使用が可能
●たわみが大きい
●埋設物があると連続して打ち込めない
●硬い地盤(礫を含む地盤等)には打込めない
親ぐい横矢板・ヒービングのおそれがない
湧水がない
・深浅両方の掘削に適す
・横断埋設物のある場合
○材料の剛度が大きい
○埋設物があっても打ち込める
●横矢板の裏に隙間ができると周辺の地盤が沈下する

 鋼矢板を動画でみてみる。動画サイトへ

 親杭横矢板を動画でみてみる。動画サイトへ

山止めの注意点

  1. 鋼矢板、H鋼の打込みはドロップハンマーやディーゼルハンマー等の打撃式打込みとバイブロハンマーによる振動式打込みがある。
  2. 振動、騒音を低減するため、打込みに先だってアースオーガなどで穿孔することもある。
  3. 山止め支保工は作業主任者が必要(労働安全衛生法の資料参照)。
  4. シートパイルの根入れは長さの1/3以上とする。
  5. のり肩には掘削土や資材などを置かない。少なくても掘削深さの1/2以上離す( →右図)。 
  6. 下に示すヒービング、ボイリングには特に注意する。この二つは重要。

  ヒービング(盤ぶくれ):土砂が回り込む     ボイリング:地下水が絡んで土砂が湧き上がる


 盤ぶくれを実験動画でみてみる。動画サイトへ

この章の過去問

1.山止めの工法と採用できる地盤等
2.山止め支保工の規則----作業主任者が要(労働安全衛生規則)
3.ヒービング、ボイリング等の用語
4.切りばり、腹起こし、キリンジャッキ等の用語