底版コンクリートの上に通り芯、槽本体の位置などを墨出しする。
浄化槽本体に吊上げ用のフックがあるものと、槽本体に直接ワイヤロープをかけるものがある。吊上げ用フックのある場合は必ずこれを利用し4点吊りとすること。又、本体に直接ワイヤロープをかける場合は、地切り時に槽本体の傾きを必ず確認し水平に吊上げること。
底版コンクリートの突起物、例えば固定金具や浮上防止金具に本体を引っ掛けないように注意し、石などを落とさないように静かに吊り降ろす。底版コンクリートの上に小石や異物がないことも確認すること。
槽本体は水平に据え付けられなければならない。傾いて設置されると水流の偏り等で、沈殿、生物処理に支障が生じ、処理水質を悪化させる恐れがある。
万一底版が水平に仕上がっていない場合は、ライナを槽の下に入れて調整する。この時隙間には必ずモルタルを充填すること。砂は洗掘される恐れがあるので避けること。
位置が決まったら、固定金具や浮上防止金具で槽本体と底版を固定する。
複数の槽で構成される浄化槽は各槽の接続が必要である。片方の槽に管を差し込み、一方の槽を移動してつなぎ込む。槽本体を移動するので、本体を固定する前に行う。
導放流管、汚泥移送管、空気管、臭突管などの接続を槽本体の接続後に行う。特に槽が複数からなる場合は、配管のレベルに注意し、逆勾配や、管と管の交差に注意をする。 これら配管接続は、埋め戻しの前か途中かを決めておく。例えば埋め戻し前に行う場合は、埋め戻し土の荷重がかかるので、パイプサポートが必要である。また埋め戻し途中に行う場合でも、不同沈下を防ぐため、土の締め固めは十分に行うこと。
配管工事をみる⇒動画サイトへ(9)施工技術(本体検査)を参照のこと。
水張りの目的は次のとおりである。
・槽本体を安定させ。埋め戻しの際にずれたり、水平が狂うことを防ぐ
・埋め戻しの土圧による本体及び内部装置の変形等が生じるおそれを防ぐ
・水準目安線等から本体の水平を確認する。
・槽本体の漏水試験を行う
埋め戻しに際しては、まず本体の中に土砂が入らないように点検口葢や仮の葢等で開口部を覆うことが大切である。また、埋め戻しの土砂で槽外部の配管を損傷しないよう、固定して養生しておく。
埋め戻しは水張り試験を行い、漏水のないことを確認してから行うこと。掘削土が良質で礫等を含まない場合はそのまま使用してもよいが、良質でない場合は予め山砂を用意して埋め戻す。
埋め戻しの途中でも水平の確認を行うことが大事。
埋め戻し中に何度も水をまき、水締めを行って土の内部に空隙ができないようにする。「雨降って地固まる」のこと。
FRP浄化槽は本体の中央部が膨らんだ形状であるから、まず下半分を完全に水締めして突き固める。同様にして上半分の埋め戻しを行う。突き固めが十分でないと、後日、本体の周囲が陥没してスラブコンクリートが浮き、浄化槽の本体に直接荷重がかかることもある。
浄化槽本体の容量分の土は余ってしまう。これを処理するのが残土処理。掘削した土の容量は地山の20%程度増加することも憶えておく。
手順は基礎コンと同様。割栗石→目潰し砂利→捨てコン→墨出し→配筋→型枠→打ち込み→養生 の手順である。
スラブの仕上げはモルタルが一般的であるが、雨水の水勾配に注意し、流す方向を関係者で打ち合わせておくこと。また、雨水が開口部の葢から浄化槽内に入らないようにすることが大切である。