施工前の本体の検査

 工場生産浄化槽は出荷時の製品検査によって不良品が外部に流出しないようになっている。しかし、工場から設置現場までの各流通経路を含めた輸送期間中に、槽本体や内部部品にさまざまな変化や破損が生じる可能性がないともいえない。そこで、槽を据付る前に本体検査を必ず行う。

槽本体の点検

  1. 国土交通大臣認定品であることの確認---銘板(シール)の確認とマンホールの数、寸法、位置や槽の高さなど。
  2. 確認すべき表示事項として、①浄化槽の名称、②「浄化槽法に基づく型式認定浄化槽」の文字、③認定の番号、④認定の年月日、⑤処理方式、⑥処理能力、⑦浄化槽製造業者の氏名又は名称
  3. 破損、変形の有無---目視や触手で点検し、異常がある場合は、補修可能か槽の交換かを検討する。
  4. 付属品の確認---ブロワ、マンホールフタ等が揃っていることを確認する。

槽内部の点検

  1. 配管、バルブ、散気管、逆洗管等のゆるみ、変形、破損
    (1)固定は正常か (2)接続は正常か (3)散気管の水平及び脱着は容易にできるか
    (4)逆洗管の固定及び水平は正常か  (5)バルブの開閉あるいは空気量の調整は容易か
  2. ネジ類の締め直し

     目視だけでなく、必ず用具を用いて増し締めしておく。特に消毒槽のVノッチは注意が必要。

  3. 濾材、接触材の変形、破損
    (1)濾材:濾材押さえ、濾材受けがしっかり固定されていること。(濾材量が不足していると、すきまが生じ、使用開始後短絡、変形が生じやすい)
    (2)接触材:強力な撹拌流や多量の生物膜付着等、嫌気濾材よりはるかに堅固な構造上の条件がある。固定法等十分に点検確認が必要である。
  4. 消毒槽の変形、破損
    (1)せきの水平が狂ってないか。越流せきがネジ止めのものは、水平調整後固定しておく。
    (2)薬筒が傾かないように2ケ所以上で固定されているかを確認する。
  5. 隔壁等の破損
     隔壁あるいは流入、放流管継手の破損はほとんどが輸送中の事故である。補修して使用可能か、交換が必要であるかを判断する。