平成29年 問題1〜10

 
問題 1ポンプに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)ポンプの口径とは、吸い込み口では内径を、吐き出し口では外径をいう。
(2)容積ポンプは、薬液の定量注入などに用いる。
(3)揚水量とは、ポンプが単位時間に吸い上げ可能な水量をいう。
(4)ターボポンプとは、ケーシング内で羽根車を回転させることで、液体にエネルギーを与える構造のものをいう。

正答 ➠ 1  
 ポンプには水中汚物ポンプのように、吸い込み口がポッカリ開いているようなものもあり、内径という概念が無いものもある。
 また、吐き出し口の外径・・・なんて、何の意味もない。配管もバルブも、呼び径は「内径」である。
 
 
問題 2計測方法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)ばっ気槽での送気量の測定に差圧式流量計を用いた。
(2)流入水路における流入汚水量の測定に面積式流量計を用いた。
(3)沈殿槽における返送汚泥量の測定にせき式流量計を用いた。
(4)原水ポンプ槽における移送水量の測定に電磁流量計を用いた。

正答 ➠ 2  
 流量計の原理に関するもの。面積式とは、ガラステーパ管の中にローターがあって、流量によってロータが上下し、テーパ管とロータの隙間の面積が変化することを利用している。
 ところが、問題では「流入水路」とあるから、未処理の汚水だ。となると、夾雑物が引っ掛かってしまって、ロータが回転して、上下して、面積が変化して・・・、なぁ〜んて無理だ。
 
 
問題 3流入汚水量100㎥/日、BOD負荷量40 kg/日の汚水が流入する浄化槽において、放流水のBOD濃度を20 mg/Lとした場合のBOD除去率として、正しい値は次のうちどれか。
 
(1)80 %
(2)85 %
(3)90 %
(4)95 %

正答 ➠ 4  
 最も簡単な除去率計算。これを落としては「合格」はない。
 BOD濃度の単位[mg/L]は、分母分子を1000倍すると[g/㎥]、これを知っておくと後々便利。
 放流水のBOD量は、100㎥/日×20g/㎥=2000g=2kg。除去率は (40-2)÷40×100= 95%除去
 
 
問題 4次のフローシートに従って生活排水を処理した場合、放流水のBOD濃度が15 mg/Lとなったと仮定すると、流入汚水のBOD濃度として、正しい値は次のうちどれか。
 


(1)150 mg/L
(2)200 mg/L
(3)250 mg/L
(4)300 mg/L

正答 ➠ 3  
 流入汚水のBODをBとしてみよう。一次処理の出口濃度は、B×(100-40)/100=0.6B
となる。更に二次処理の出口濃度は、0.6B×(100-90)/100=0.06B
 この0.06Bが15mg/Lとあるから、Bを逆算すると、B=15/0.06=250mg/L となる。
 この問題も前問と同様、合格のためには、決して落としてはいけない。
 

問題 5図に示す三相誘導電動機の回路において、図示記号と名称の組み合わせとして、誤っているものは次のうちどれか。
 


  〔図示記号〕      〔名称〕
(1) MCCB     配線用遮断器
(2) MC      電磁接触器
(3) 2E       保護継電器
(4) C       C種接地極

正答 ➠ 4  
 Cはコンデンサのイニシャル。正式には「進相コンデンサ」といい、交流回路でモータなどの力率(電力の効率)を改善するために挿入するコンデンサ。
 
 
問題 6コンクリートに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)水分量が少ないコンクリートほど、スランプ値は大きくなる。
(2)単位セメント量が過少になると、ワーカビリティーが悪くなる。
(3)砂の塩分が多いコンクリートは、鉄筋に錆が発生しやすくなる。
(4)コンクリートの打設後、急激に乾燥させるとひび割れの原因となる。

正答 ➠ 1  
 スランプは高さ30㎝のコーン型に生コンを入れ、コーンを上に引き抜いた時に最初の高さからどのくらい下がったかを示すもので、スランプ値が大きいコンクリートは、軟らかいコンクリートということになる。
 となると、水分が少ないコンクリートはスランプ値は小さい
 
 
問題 7図に示す等分布荷重を受ける単純梁の曲げモーメント図として、最も適当なものは次のうちどれか。
 



正答 ➠ 2  
 よく分からなくても、①ピン支持部(両端の△部)ではモーメントが出ない、②等分布荷重ではモーメントが曲線状に出てくる、という2つのルールから、これにたどり着く。
 
 
問題 8「公共工事標準請負契約約款」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 
(1)監督員は、設計図書に基づく工事の施工のための詳細図の承諾にかかる権限を有する。
(2)発注者は、監督員を置いたとき、その氏名と保有する関係資格を受注者に通知しなければならない。
(3)監督員の指示又は承諾は、原則として、書面により行わなければならない。
(4)発注者は、二名以上の監督員を置き、発注者の権限を分担させたときには、それぞれの監督員の有する権限の内容を受注者に通知しなければならない。

正答 ➠ 2  
 約款で「監督員」を調べると、第9条の1から6まであって、その1に、氏名を乙(受注者)に通知しなければならない、とあり、資格については記述がない。
 
 
問題 9水質に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
 
(1)SSは、水中に懸濁している2㎜以上の浮遊物質のことである。
(2)BODは、主に有機物質が酸化剤によって酸化される際に消費される酸素量から求める。
(3)TOCは、水中に存在する物質に含まれる炭素の総量を表す。
(4)CODは、通常、BODと異なった値となる。

正答 ➠ 4  
 CODとBODは値が異なることはもう知っているだろうから、ここでは、他の三つの間違いを憶えてしまうのがいい。SSは粒径2mm以下のもの。BODは微生物の増殖あるいは呼吸作用により消費される酸素量のこと、TOCは水中に含まれる全有機炭素のこと(TはTotal)。
 
         
問題 10単一粒子の沈降に関する次の文章中の[  ]内に当てはまる語句の組み合わせとして、最も適当なものはどれか。
 
 水中の単一粒子がストークスの式に従って沈降する場合、その沈降速度は[ A ]の2乗に比例し、[ B ]に比例する。

    〔A〕        〔B〕
(1)粒子の直径水と粒子の密度差
(2)重力加速度水の粘度
(3)水と粒子の密度差重力加速度
(4)粒子の直径水の粘度

正答 ➠ 1  
 粒子の沈降速度に関するストークスの式は数年に一度出題がある。粒径の2乗に比例して、水と粒子の密度の差に比例し、水の粘度に反比例する
 とにかく、粒径の2乗に比例することが重要。だからこそ、価格の高い凝集剤で粒径を大きくしている。