配管工事
浄化槽の配管は塩ビ管がほとんどである。塩ビ管は圧力用のVP管(継手はTS)と無圧用のVU管(継手はDV)がある。比較的大型の浄化槽ではブロワの吐出温度の上昇があるため、空気配管に鋼管(白ガス管)を用いている。
排水系は通常VU配管が用いられる。
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1)汚水配管の留意事項
- 流入管及び放流管の勾配はおおむね“口径分の1(1/口径)”とする。
- 土かぶりは起点で20cm以上。荷重が掛かるところで60cm以上とする。
- 自動車が通る場合は、スラブ打ちを行う。
- 雨水等で土砂が流出し、管が露出しないようにする。
- 止むを得ず露出配管する場合は、衝撃、耐侯性に配慮し、ヒューム管などの中に収める(さや管という)。
- 寒冷地では凍結深(度)以下に埋設する。
2)マス(桝)の位置と種類
マスの設置位置は次の点に留意(この4点はセットで憶える)。----右図参照
- 起 点:各排水が屋外にでた所に設ける。
- 屈曲点:45度以上の屈曲点、落差のある所に設ける。
- 合流点:2系統以上の排水の合流点に設ける。
- 間 隔:直線でも点検清掃が行える間隔で設ける。---下水道基準では管径の120倍を超えない範囲で設ける。
マスの種類
- マスは流入側はすべてインバートマスとし、雨水等が入らないように密閉できる葢であること。
- 洗濯機や浴室等で建屋内にトラップが無い場合にはトラップマスを設置する。
- 二重トラップ(ダブルトラップ)は厳禁である。
- 公共マスの内径は内のり30cm以上の円形又は角形とする。宅地用の小口径マスは15cm、20cmが販売されている。
■汚水マスはインバート、雨水マスは15cm以上のどろだめに注目
塩ビ製のインバートマスが使われる。曲がりマスやトラップマス等、多種市販されている。
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3)防臭対策
二階以上に風呂などがある場合、階下のトイレで吸出し作用やはね出し作用が働き、トラップの封水が破れ臭気が逆流することがある。このような場合は排水立て管の頂部を大気に開放する。
4)空気配管
空気配管の留意点は次のとおり
- 一般にはVP13〜25の塩ビ管を用いるが、比較的大型のブロワでは振動、強度、温度、耐侯性を考慮し鋼管を用いるのが好ましい。
- 露出する場合は小型でも鋼管を用いる。
- 配管長さは10m以内。曲がりはできるだけ少なく5ケ所以内とする。家庭用の電磁ブロワではなるべく浄化槽の近くに設置し、配管距離5m以内が望ましい。
- 地下15cm以上(土かぶり)に埋設するが、上部に荷重が掛かる場合はスラブを打つこと。
この章の過去問
1.VP管とVU管の使い分けについて問う。
2.配管の勾配は一般にいくらか。
3.配管起点の土かぶりは。
4.露出配管の留意点は何か。
5.マスを設置しなければいけない場所を4っ記せ。
6.トラップマスを設置する時の注意点は何か。
7.空気配管は10m以内。曲がりは何ケ所
8.空気配管が露出する時は。