土工事

縄張り(なわばり)、丁張り(ちょうばり)と遣り方(やりかた)

いすか切りは物が当たった場合にその頭部をつぶれ易くし、移動したことを分かりやすくする。最近はとんと見ない。

 遣り方の実際をみてみる。動画サイトへ

掘削工事(くっさくこうじ)------根切り(ねぎり)ともいう。

 掘削には手掘りと機械掘りがあるが現在は機械掘りが一般的。工法としては素掘(オープンカット)工法が採用されるが、掘削が深くなると、地山が崩壊する危険性があるので、山止め(次章)を設けたりする。



法面(のりめん)保護の例


 ユンボによる掘削工事の実際をみてみる。動画サイトへ

【オープンカットが採用できるのは】

  1. 周囲に建物などがなく、広さに余裕がある
  2. 掘削深さが浅く工期も短い場合で、地質が比較的硬い硬質粘土層や赤土層などの良質地盤。
  3. 湧水がない。

【オープンカットの注意点】

  1. のり面(斜面)の安定性---土質に合った掘削角度。
  2. のり面の養生---降雨や乾燥により徐々に崩れる。適当な養生が必要(上図参照)。
  3. のり先(下端)の洗掘---湧水がのり先に集中し、砂を洗い流してしまうこと。地下水位を下げるか、土のうを積んだりして崩壊を防ぐ。
  4. 掘削の期間中はくい打ち等の振動をできるだけ避ける。
  5. 湧水、流入水がある場合は、釜場(後出)を設ける。
  6. 掘削床のレベルに注意し、掘り過ぎないようにする。
 

水替工事

 掘削に伴う湧水の処理を水替(みずかえ)という。水替は排水工法と止水工法に分類される。下表に大分類を示す。

水替工事排水工法重力排水法釜場工法
深井戸工法
強制排水
(真空排水法)
ウェルポイント工法
真空深井戸工法
止水工法物理的方法
(止水山止め工法)
鋼矢板工法
(シートパイル)
現場打ち地中壁工法
凍結工法
化学的方法
(注入工法)
ベントナイト注入工法
セメント注入工法
薬液注入工法
赤文字の項目は重要です。

釜場(かまば)とウエルポイントの例

釜場は重力で水を集め、ポンプで排水する「重力排水」。決して「強制排水とまちがえないように」
ウエルポイントは真空ポンプで地下水を吸い上げてしまう方法。

 ウエルポイントを動画でみてみる。動画サイトへ

この章の過去問

1.敷地周辺の調査項目について重要と思われるものを4つ述べよ。
2.オープンカット工法が採用できる条件を3つ述べよ。
3.山止め工法が必要なのはどんな場合か。
4.掘削の作業内容とそれに適する重機を結べ。
5.地山の種類と掘削角度についての問題---労働安全衛生規則を参照
6.作業主任者が必要な地山掘削の深さは---労働安全衛生規則を参照
7.水替工事の重力排水、強制排水、釜場、ウエルポイント等の用語