平成25年 問題1〜10

問題 1流体に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)ベルヌーイの定理とは、流体におけるエネルギー保存則を示したものである。
(2)ベルヌーイの定理には、剛体のエネルギー保存則にはない圧カエネルギーが含まれている。
(3)ベルヌーイの定理は、重力以外に外力がない場合、完全流体の定常流において、流線に沿ったエネルギーが一定であることを表している。
(4)完全流体とは、圧縮性があり、粘性を考慮しない流体をいう。

正答 ➠ 4
 完全流体とは、粘性のない仮想的な流体。圧縮性は考えなくていいが、もし圧縮性があったら計算は難しい。

問題 2ポンプのキャビテーションに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)吸込側の圧力が上がると、キャビテーションが発生しやすい。
(2)キャビテーションの防止には、吸込揚程を小さくする。
(3)吸込配管を太くすると、キャビテーションが発生しにくい。
(4)キャビテーションは、局所的に速度が大きくなるところで発生しやすい。

正答 ➠ 1
 キャビテーションは簡単にいうと液体中に泡が生じる現象。このために揚水できなくなってしまう。圧力低下が大きな要因だ。

問題 3浄化槽における凝集分離に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)コロイド粒子の表面は、正に荷電しているため、相互に反発しあい、安定な分散状態を維持している。
(2)リン除去に適している。
(3)凝集後の固液分離には、重力沈降や加圧浮上が有効である。
(4)凝集剤の効果は、pH及び共存塩類に影響される。

正答 ➠ 1
 コロイド粒子の表面は「負(マイナス)」に帯電して互いに反撥している。この溶液に少量の電解質を加えると、表面の電荷が打ち消され、コロイド粒子同士の反発力を失って凝縮する。この電解質を「凝集剤」という。

問題 4流入汚水(水量100㎥/日、BOD 200mg/L)を浄化槽で処理し、小河川(水量1,300㎥/日、BOD 1.8 mg/L)に放流する場合、放流点のBODが3mg/Lになるための浄化槽のBOD除去率として、最も近いは次のうちどれか。ただし、放流点では河川水と処理水が完全混合し、希釈以外の浄化作用は無視するものとする。
 
(1) 88%
(2) 91%
(3) 95%
(4) 98%

正答 ➠ 2
 こういうのは図を描いて、矢印と数値を書き込むことから開始する。放流点のBOD量は3×(1300+100)=4200、元々の河川のBOD量は1300×1.8=2340。浄化槽放流水のBOD量は4200-2340=1860となる。浄化槽の流入水BODは100×200=20000あるで、これを1860まで除去すると、90.7%除去する必要がある。

問題 5図に示す回路において、誘導電動機の焼損防止に関係のない機器は次のうちどれか。
 
(1)配線用遮断器(MCCB)
(2)電磁接触器(MC)
(3)2Eリレー(2E)
(4)コンデンサ

正答 ➠ 4
 進相コンデンサは交流回路において力率を改善するために挿入するものである。

問題 6図に示す集中荷重Pを受ける単純梁の曲げモーメント図として、最も適当なものは次のうちどれか。
 

正答 ➠ 2
 両端支持なので、両端に反力は出ない。2しかない。

問題 7鉄筋コンクリートの鉄筋のかぶり厚さに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)スラブのかぶり厚さは、土に接する部分より土に接しない部分を大きくする。
(2)土に接しない部分のかぶり厚さは、スラブより柱を大きくする。
(3)かぶり厚さは、コンクリートの中性化による鉄筋の腐食に影響する。
(4)かぶり厚さは、火災時における鉄筋の強度に影響する。

正答 ➠ 1
 土と接する部分は、例えば空気と接する部分より、当然大きなかぶりが必要。単純に考えていい。

問題 8「公共工事標準請負契約約款」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
 
(1)現場説明書及び現場説明に対する質問回答書は、設計図書に含まれる。
(2)受注者は、契約の履行に関して知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
(3)受注者が共同企業体を結成している場合、発注者が共同企業体の代表者に対して行う契約に基づくすべての行為は、当該企業体のすべての構成員に対して行ったものとみなされる。
(4)契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる計量単位は、日本工業規格に定めるものでなければならない。

正答 ➠ 4
 第一条8に、「設計図書に特別の定めがある場合を除き、計量法に定めるものとする。」

問題 9次の四つの処理方式のうち、生物膜法に分類されないものはどれか。
 
(1)接触ばっ気方式
(2)長時間ばっ気方式
(3)散水濾床方式
(4)回転板接触方式

正答 ➠ 2
 生物反応槽の中が空っぽのもの、つまり充填物がないものを選ぶ。長時間ばっ気方式か標準ばっ気方式しかない。どちらも活性汚泥法。

問題 10汚水処理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
 
(1)嫌気性生物処理では、有機汚濁物質がメタンと二酸化炭素等に転換される。
(2)好気性生物処理は、溶存酸素の存在下で生育できる微生物によって行われる。
(3)凝集沈殿処理では、汚水にメタノールを注入し浮遊物質をフロックにして沈殿させる。
(4)活性炭吸着処理は、COD、色度、臭気の除去に有効である。

正答 ➠ 3
 問題3に出ていたように電解質を添加する。メタノール(メチルアルコール)はアルコールだから電解質ではない。