(6)公共工事標準請負契約約款(2017年7月25日改定版から)

なかなか難しい内容ですが、ときどき出題があります。契約・工事のための基礎知識としてはとても重要です。

(総則)

第一条 発注者及び受注者は、設計図書(図面、仕様書、現場説明書、現場説明に対する質問回答書をいう。)に従い、この契約を履行する。
2 受注者は、工事を工期内に完成し、発注者に引き渡す。発注者は、その請負代金を支払う。
請求、通知、報告、申出、承諾及び解除は、書面により行う

(請負代金内訳書及び工程表)

第三条 受注者は、設計図書に基づいて請負代金内訳書及び工程表を作成し、発注者に提出し、その承認を受ける。

(一括委任又は一括下請負の禁止)

第六条 受注者は、あらかじめ発注者の承諾を得た場合を除き、工事の全部若しくは主たる部分の工事を一括して第三者に委任したり、請け負わせてはならない

(監督員)

そもそも発注者が監督員を置かないときは、下に定める監督員の権限は、発注者に帰属する。
第九条 発注者は、監督員を置いたとき、監督員を変更したときは、その氏名を受注者に通知する。
2 監督員は、設計図書に定めるところにより、次に掲げる権限を有する。
一 契約の履行についての受注者又は受注者の現場代理人に対する指示、承諾又は協議。
二 設計図書に基づく工事の施工のための詳細図等の作成、交付又は受注者が作成した詳細図等の承諾。
三 設計図書に基づく工程の管理、立会い、工事の施工状況の検査又は工事材料の試験若しくは検査(確認を含む。)
4 監督員の指示又は承諾は、原則として、書面により行わなければならない。

(現場代理人及び主任技術者、監理技術者)

第十条 受注者は、次に掲げる者を定めて工事現場に設置し、設計図書に定めるところにより、その氏名その他必要な事項を発注者に通知する。変更したときも同様。
2 現場代理人は、工事現場に常駐し、その運営、取締りを行うほか、請負代金額の変更、請負代金の請求及び受領、この契約に基づく受注者の一切の権限を行使することができる
5 現場代理人、主任技術者(監理技術者)及び専門技術者は、これを兼ねることができる

(工事材料の品質及び検査等)

第十三条 工事材料の品質については、設計図書に定めるところによる。設計図書にその品質が明示されていない場合にあっては、中等の品質を有するものとする。
2 受注者は、設計図書において監督員の検査を受けて使用すべきものと指定された工事材料については、当該検査に合格したものを使用しなければならない。この場合において、検査に直接要する費用は、受注者の負担とする。

(監督員の立会い及び工事記録の整備等)

第十四条  受注者は、設計図書で監督員の立会いの上施工するものと指定された工事については、立会いを受けて施工する。

(工事用地の確保等)

第十六条 発注者は、工事の施工上必要な用地を受注者が工事の施工上必要とする日までに確保しなければならない。

(設計図書不適合の場合の改造義務及び破壊検査等)

第十七条 受注者は、工事の施工部分が設計図書に適合しない場合において、監督員がその改造を請求したときは、当該請求に従う。
監督員は、受注者が第十三条第二項又は第十四条第一項から第三項までの規定に違反した場合において、必要があると認められるときは、工事の施工部分を破壊して検査することができる

(条件変更等)

第十八条 受注者は、工事の施工に当たり、次の事実を発見したときは、直ちに監督員に通知し、その確認を請求する。
一 図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書が一致しないこと。
二 設計図書に誤謬又は脱漏があること 。
四 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された施工条件と実際の工事現場が一致しない。

(検査及び引渡し)

第三十一条 受注者は、工事を完成したときは、その旨を発注者に通知する。
2 発注者は、通知を受けた日から14日以内に受注者の立会いの上、設計図書に定めるところにより、工事の完成を確認するための検査を完了し、当該検査の結果を受注者に通知する。
3 前項の場合において、検査又は復旧に直接要する費用は、乙の負担とする。
4 発注者は、工事の完成を確認した後、受注者が引渡しを申し出たときは、直ちに引渡しを受けなければならない。

(請負代金の支払)

第三十二条 受注者は、前条第二項の検査に合格したときは、請負代金の支払を請求することができる。
発注者は、前項の規定による請求があったときは、請求を受けた日から40日以内に代金を支払わなければならない

(部分使用)

第三十三条 発注者は、引渡し前においても、工事目的物の全部又は一部を受注者の承諾を得て使用することができる

(前金払)

第三十四条 受注者は、請負代金額の10分の*以内の前払金の支払を発注者に請求することができる。(*の部分には、30未満の数字を記入する。)
2 発注者は、前項の規定による請求があったときは、請求を受けた日から14日以内に前払金を支払う。

(部分払)

第三十七条 受注者は、工事の完成前に、出来形部分並びに工事現場に搬入済みの工事材料に相応する請負代金相当額の10分の9以内の額について、部分払を請求することができる。
3 発注者は、当該請求を受けた日から14日以内に、確認をするための検査を行い、結果を受注者に通知する。
5 発注者は部分払の請求を受けた日から14日以内に部分払金を支払う。

(かし担保)

第四十四条 発注者は、工事目的物にかしがあるときは、受注者に対して相当の期間を定めてそのかしの修補を請求し、又は修補に代え損害の賠償を、若しくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。(3とおりある)

注 相当の期間とは、原則として、木造の建物等の建設工事の場合には1年、コンクリート造等の建物等又は土木工作物等の建設工事の場合には2年、設備工事等の場合には1年。

4 発注者は、工事目的物が滅失又はき損したときは、相当の期間内で、かつ、その滅失又はき損の日から6月以内に行使しなければならない。