浄化槽の性能が十分に発揮できるかどうかは浄化槽の据え付け工事にかかっているといって過言ではない。従って、基礎工事は極めて重要な工事である。
地盤を固める割栗石地業と、その隙間を埋めるために砂利を敷く目潰し砂利地業に分けられる。
左図は絵です。これを図面で描けるようにしておくことが大事。
掘削、床付け終了後、浄化槽や基礎コンクリートの荷重を支える地盤を強固にするため、小塊状の砕石を敷き固める。これを割栗石地業という。石は地盤に差し込みやすいように尖った方を下にし、ランマ等で転圧する。厚みは一般的には100〜150mmであるが、浄化槽の規模で変わる。
栗石の隙間には切り込み砂利を敷き、ランマで転圧する。
ランマの転圧作業をみてみる。⇒動画サイトへもし深く掘り過ぎたら後述の捨てコンで調整するので、決して栗石を厚く敷かないこと。
栗石は縦に並べるのが正しい。動画でみてみる。⇒動画サイトへ型枠、槽本体位置、固定金具、浮上防止金具の取付け位置などの墨出しを行うため、捨てコンクリートを50mm程度打設し、木ゴテ等で水平に仕上げる。この捨てコン自体は構造強度的には何の意味も持たない。
捨てコンの上に通り芯、型枠の位置、槽の固定金具、浮上防止金具の位置などの墨出しを行う。不正確な墨出しは、浄化槽の移動、配管の取り壊し、無駄なコンクリートのハツリにつながるので注意する。
鉄筋はJISの丸鋼や異形棒鋼が用いられる。錆びに関しては、浮き錆びは必ず除去すること。鉄筋は結束線という径0.8mm程度の鉄線で組立て、鉄筋と型枠、鉄筋と捨てコンの距離(かぶり厚さという)を所定の寸法だけ確保するため、スペーサをはめる。
鉄筋の結束作業を動画でみてみる。⇒動画サイトへ最小かぶり厚さは、土に接する基礎・擁壁は60mmである。【最重要】その他のかぶり厚は以下のとおり。
部 位 かぶり厚さ 耐力壁を除く壁・床 2cm 耐力壁・柱・梁 3cm 直接土に接する壁・柱・床・梁
布基礎の立上り部分4cm 立上り部分を除く基礎 6cm
(捨コン除く)
上記のかぶり厚さは、施行令で定められた最低限の数値であり、JASS5で定めている設計かぶり厚さの標準値(仕上げなし)は、施行令の数値+1cmとなっている。
型枠用材料には合板、木製、鋼製があるが、浄化槽レベルでは合板のコンクリートパネル(コンパネ)が用いられる。
型枠と型枠の間隔(つまりコンクリートの厚さ)を保持するのにセパレーターが用いられる。
支保工は天井を作るような時に、型枠を下からパイプ等で支えるもので、これに欠陥があると非常に危険なため、型枠支保工には作業主任者が必要である。型枠及び支柱の取り外しに関しては、国土交通省告示で定められており、
・気温によって期間が異なる最近の型枠とセパレーターは簡単。⇒動画サイトへ
・はり下の支柱は原則として28日(4週間)外さない
・大ばりの支柱の盛りかえ(支柱を動かすこと)は行わない 等がある。
・シュートで打ち込む時は自由落下高さを小さくとり、コンクリートが分離しないようにするコンクリート打設とバイブレーター。⇒動画サイトへ
・コンクリート振動機(バイブレータ)や突き棒で型枠のすみずみまで充填されるようにする
・コンクリートの表面は金ゴテで水平に仕上げる
・はり、床スラブ、屋根スラブ:その中央付近
・柱及び壁:床スラブ、基礎の上端またははりの下端