構造−各槽のポイント1

沈殿装置

 原水中の浮遊物や夾雑物を除去する沈殿分離槽と、生物処理の後に付ける沈殿槽がある。

沈殿分離槽
 複数の部屋に分割される場合、第1室・第2室‥と呼んでいる。

 右図のように、槽内を汚水が 1〜3 日かけて流れる間に、沈殿するものを底部汚泥として、浮くものは浮上物(スカム)として除去する。適正に機能している沈殿分離槽ではBODの30〜50%は除去される。

ポイントは、各室の流入管の位置が水深の1/3で、流出管の位置が1/2である点。

 処理対象人員が500人以下に適用できるが、実際は100人までがほとんどである。その理由は槽容量が大きく、スペースで不利なのと、清掃時に汚泥量が多すぎる点。


沈殿槽
 接触ばっ気法等の生物膜法では、微生物のフロックを沈殿させて清澄な処理水を得る。

 活性汚泥法では、沈殿して回収した微生物汚泥をばっ気槽へ返送する(汚泥返送という)。

 構造的には、家庭用の小型浄化槽には簡単なスロット型 (右図)が多用されている。沈殿槽で分離された汚泥は、スロット部からばっ気槽(又は接触ばっ気槽)に自然に返送される。

 FRP製の中規模合併槽のように、もう少し規模が大きくなると、丸型や角型のホッパー型(下図左)が採用される。但し、ホッパー部高さの1/2は有効水深に含まれないことに注意。

 さらに規模が大きくなると下部ホッパー部の深さが大きくなり、工事上大きな制約となる。そこで、大型の浄化槽では機械的に汚泥を集める汚泥かき寄せ機を備えるようになる(下図右)。

 ポイントは、この槽の目的が汚泥フロックの沈殿・濃縮であるから、
第1:まず槽内が静置されること。このためにセンターウエルを設ける。
第2:沈殿汚泥を集めるため、下部を60°以上に尖らせたり、汚泥かき寄せ機を設ける。
第3:汚泥の一部がスカムとなって浮上するため、これが流出しないようにスカムバッフルを設けたり、大型では自動のスカムスキマーを設置する。

■物体が滑り落ちる角度を安息角という。凝集し、沈殿した活性汚泥の安息角は60°と言われている。