(5)建設業法の解説
建業法(けんぎょうほう)と略します。
法律の目的
建設業を営む者の資質の向上
建設工事の請負契約の適正化等
▼を図ることによつて
建設工事の適正な施工を確保し
発注者を保護するとともに
建設業の健全な発達を促進し
▼もつて
公共の福祉の増進に寄与する
建設業の許可は
二ケ所以上の県に営業所を置く場合 | ⇒ | 国土交通大臣の許可 |
一つの県だけなら | ⇒ | 都道府県知事の許可 |
■5年ごとに更新が必要
指定建設業
管工事を含む7業種は指定建設業扱い(管、土木、建築、造園、舗装、鋼構造、電気)
軽微な工事は許可不要
軽微な工事とは下の三つ
- 1500万円未満の建築一式工事
- 延べ面積150m2未満の木造住宅工事
- 500万円未満のその他工事(浄化槽工事はその他工事に入る)
■分割して請け負う時は合計金額
下請契約の制限
特定建設業:発注者から直接請け負う一件の建設工事について、工事の全部又は一部を4,000万円(建築一式では 6,000万円)以上下請に出すことができる。
〈注〉二つ以上に分割する時はその合計が4,000万円以上
一般建設業:上以外の建設業
(1)元請にはならない。 (2)4,000万円未満しか下請にはださない。
■特定と一般の両方の許可は、同一業種ではNG
建設業許可の基準
一般建設業
- 指定建設業では5年以上経営業務の管理責任者の経験者がいる。
- 請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれがない。
- 営業所ごとに専任技術者がいる(技術検定試験合格者)。
- 請負契約を履行するに足る財産的基礎、金銭的信用がある(自己資本500万円以上)。
特定建設業
- 指定建設業では5年以上経営業務の管理責任者の経験者がいる。
- 請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれがない。
- 営業所ごとに専任技術者がいる(技術検定試験合格者等)。
- 請負契約を履行するに足る財産的基礎がある(資本金が2,000万円以上 他)。
請負契約《契約約款とからみで勉強が必要》
請負契約の原則:建設工事に関する請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結し、信義にしたがって誠実にこれを履行しなければならない。
請負契約の内容
- 不当に低い請負代金の禁止
・注文者は原価に満たない金額で発注してはならない。
- 一括下請の禁止
・如何なる方法をもってするを問わず、一括して下請けをさせてはならないしてはならない。
■発注者の書面による承諾があれば良い
- 見積り期間
・入札又は随意契約で請負契約をする場合、政令で定める一定の見積期間を設けること
500万円未満 | ⇒ | 1日以上 |
500万円以上〜5,000万円未満 | ⇒ | 10日以上 |
5,000万円以上 | ⇒ | 15日以上 |
- 下請代金の支払い
・元請け工事で下請けを使った場合、下請けへの支払期限は1ヵ月以内で、できる限り短い期間内。
- 検査及び引渡し
・元請負人は、下請負人から完成の通知を受けたときは、通知を受けた日から20日以内で、できる限り短い期間内に検査を完了する。
・元請負人は完成を確認したら直ちに引渡しを受けねばならない
- 技術検定
・国土交通大臣は施工技術の向上を図るため政令により、次の技術検定を行う。
①管工事施工管理②建設機械施工③土木施工管理④造園施工管理⑤建築施工管理⑥電気工事施工
- 主任技術者の設置
- 一般建設業者は、その請負った建設工事を施工するとき、その現場の建設工事の施工の技術上の管理をつかさどる「主任技術者」を置く。
- 特定建設業者が一定規模以上の工事を行う場合にはさらに資格要件の厳しい「監理技術者」を置く。
- 公共性のある工事で、2,500万円以上のものでは「主任技術者」「監理技術者」は専任でなければならない。かつ資格者証が必要
浄化槽法の工事業と建設業法との関係《重要》
- 建設業法による土木工事業、建築工事業、管工事業の許可を受けている建設業者は、浄化槽法による都道府県知事の登録は不要。ただし届け出を行い、設備士を置く。
- 建設業法では工事一件の請負金額が500万円未満の浄化槽工事は建設業の許可不要であるが、浄化槽法では工事の規模の大小を問わず浄化槽工事を営もうとする者は、都道府県知事の登録が必要。
- 浄化槽工事業者が二つ以上の都道府県で業を行う場合は、それぞれの都道府県ごとに登録が必要