電気工事と機器の据え付け

1)電源と電動機

 電源は小型浄化槽では単相100Vであるが、規模が大きくなると3相200Vが一般的である。電動機は単相では「コンデンサ始動形」が多く用いられるのに対し、3相では「普通かご形」が一般的である。

2)電気工事

 電気工事士法により、電気配管配線、電線の接続、配分電盤の施設及び接地工事等の保安上重要な作業は、電気工事士有資格者によって行われるよう定められている。
 また、技術基準として、電気事業法による「電気設備に関する技術基準を定める省令」(電技という)がある。

 家庭用の浄化槽レベルでは、第二種電気工事士の資格が必要である。

 この電技に基づくD種接地工事(アース工事)を行う。また、カバーが金属製のブロワの場合は、電路内に「漏電遮断器」を設ける。


3)電線の種類

 一般に用いられる電線、電力ケーブルは次のとおりである。

名 称略 称規 格主な用途
600Vビニル絶縁電線IV電線JIS C 3307600V以下の屋内配線に広く用いられる
架橋ポリエチレン絶縁
ビニルシースケーブル
CVケーブルJIS C 3606主流である。低圧から特高圧まで広い範囲で使用できる

4)絶縁抵抗、接地抵抗

絶縁抵抗値は、季節や天候による変化があっても常に維持されなければならない最小値を「電技」で規定している。

 絶縁抵抗測定機(メガ)は低圧の場合は500Vメガを用いる。

 接地抵抗値は、自然現象による大地の湿潤や温度からの影響を受けて変化しても、常に規定値になっていなければならない。
 D種接地工事では、接地抵抗値が100Ω以下(動作時間0.5秒以内の漏電遮断器があれば500Ω以下)である。
 アーステスタは測定用の補助接地棒2本が付属してあり、測定する接地極と補助接地棒とを、お互いに10m以上離し、一直線上に埋めて測定する。

5)ブロワの据え付け

  1. 据え付け場所 は、ブロワの機能面、騒音、保守点検等を配慮して決める。具体的には、
    • なるべく直射日光を避け、風通しのよい場所
    • 水はけがよく湿気が少なく、粉塵が少ない場所
    • できるだけ浄化槽に近い場所
    • 寝室からなるべく離れた場所
    • 保守点検が容易な場所
  2. 基礎工事の注意点
    • 建物から離し、地上10cm以上高くする
    • 表面はモルタル仕上し、水平に仕上げる
    • ブロワが大きくなると振動も増すので、アンカーで固定する

 ブロワーの設置は簡単。動画サイトへ

この章の過去問

1.絶縁電線の種類と用途
2.ブロワの基礎に関する注意点は。
3.接地抵抗値と測定法
4.ブロワ設置場所の悪例