くい地業工事

くい地業工事

 一般には、基礎(独立、布、連続、べた基礎)よりした下部に割栗石(わりぐりいし)を敷いたり、くい打ちを行うことを地業(ぢぎょう)という。

地業には左図の(a)に示す砂・砂利、割栗石地業、(b)に示す木ぐい地業、鉄筋コンクリート地業、鋼管ぐい地業、H形鋼ぐい地業がある。いずれにしても、墨出しを行って、配筋や型枠の施工を容易にするため、必ず捨てコンクリートを打つ。


 基礎ぐいは、既製ぐい(コンクリートパイル)と現場打ちぐいに大別されるが、浄化槽規模では既製ぐいがほとんどである。既製ぐいの施工法には下図のようなものがある。

  1. 打ち込み工法
    くい打ち機(パイルドライバー:プロレスでお馴染み?)で打ち込むもので、経済的・能率的だが打撃による騒音・振動に注意。これだけは憶えましょう。
  2. 圧入工法
    油圧ジャッキによりくいを圧入する。騒音・振動の問題はないが費用が高い。
  3. プレボーリング工法
    削孔機(アースオーガ)であらかじめ地面に孔をあけ、くいを打ち込む工法。

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N値(えぬち)について --- 参考までに

 この試験はボーリングと併用して実施する。ボーリングによる掘進が所定の深さに達した時、スプリットバレルサンプラを先端に取付け、ボーリング孔底までおろす。

 ここで、重さ63.5kgのハンマを高さ75cmから自然落下させてヘッドに打撃を加え、サンプラを土中に貫入させる。このサンプラを30cm貫入させるのに必要なハンマの打撃回数がN値である。従って、この数値が大きければ大きいほど地盤が強固であるといえる。FRPの大型合併槽ならこのN値は5以上あれば良いが、コンクリート製の浄化槽なら10以上は必要である。

【くい打ちの注意点】

  1. まず騒音と振動。各種の制約はあるが、一般値として騒音は敷地境界線から30mの地点で85ホン以下。振動は敷地境界線で75dB 以下であること。都市部では「プレボーリング+圧入」が用いられることが多い。
  2. 事前調査により、既存構造物、地中埋設物、敷地高低、境界線の確認を行うこと。
  3. くいを打つ工程を把握しておくこと。山止めの施工と前後して行うか、掘削がある程度進んでから行うか、掘削がほとんど終ってから行うか等。

この章の過去問

1.くいの種類
2.くい打ち機 --- パイルドライバー、アースオーガ等の用語
3.ボーリングとN値