施工の問題はここから出る

浄化槽工事の技術上の基準(環境省・国土交通省共同省令の全文)

この基準があって「設備士」があります。よく読むと、これが施工に関する試験問題作成のガイドラインなのです(多分?)
   橙の文字は “だから試験に出る” ところ

1.浄化槽工事用の図面及び仕様書に基づいて行うこと。
 ・図面だけでなく、仕様書特に特記仕様書に注意が必要。

2.浄化槽が法第四条第一項に規定する浄化槽の構造基準に適合するように行うこと。
 ・単純に構造方法どおりに作れということ。

3.浄化槽に損傷等が生じないように行うこと。
 ・FRP浄化槽は特に衝撃、集中荷重には注意。

4.工事開始に当たっては、浄化槽の設置位置、放流先等現場の状況を十分把握し、適切な施工に努めること。
 ・点検、清掃が容易で、放流先や周辺の環境を汚さないことが基本。

5.根切り工事、山留め工事等は、次に定めるところにより行うこと。【ここは重要ポイント】

イ.建築物その他の工作物に近接して行う場合においては、あらかじめ、当該工作物の傾斜、倒壊等を防止するために必要な措置を講ずること。
 ・既設の建築物の保護は、施工計画の重要なポイントです。

ロ.地下に埋設されたガス管、ケーブル、水道管等を損壊しないように行うこと。
・掘削は地下埋設物に注意 → 当然ですね。

ハ.根切り工事を行う場合においては、当該根切り工事の深さ並びに地層及び地下水の状況に応じて、あらかじめ、山留めの設置等地盤の崩壊を防止するために必要な措置を講ずること。
・鋼矢板や親ぐい横矢板等の山留め工事の使い分け、ウエルポイントや釜場による重力排水等、水替え工事に関しても必ず出題されている。

ニ.埋戻しを行う場合においては、浄化槽内に異物が入らないように行うとともに、十分な締固めを行うこと。
・埋戻し不良により、後で浄化槽が露出することもマレにあります。

ホ.法第十三条第一項又は第二項の認定を受けた浄化槽の埋戻しは、浄化槽の水平を確認しつつ行うこと。
・型式認定浄化槽は本体に水を張りつつ、安定させ、水平を確認します。水平が取れていない浄化槽の問題点を記せと!いうのが以前出題されました。

6.基礎工事は、地盤の状況に応じて、基礎の沈下又は変形が生じないように行うこと。
・くい打ち工事やコンクリート基礎の形状や配筋について出題されます。地質に関する問題もありました。

7.基礎の状況等に関する記録を作成すること。
・浄化槽は据付けると掘り返しは困難。完成後見えない箇所は写真を保存するのが原則。

8.コンクリートの打込みは、打上がりが均質で密実になるように行い、かつ、所要の強度になるまで適切に養生すること。
・コンクリートの強度や作業性(スランプ等)、バイブレータの扱いの他、養生時の気温や水分の注意が毎年出題されている。

9.地下水等の状況に応じて、浄化槽の浮上がりを防止するために必要な措置を講ずること。
・湧水があるときは浮上防止バンドやロッドで対応しましょう。上にコンクリートで重石をするのは好ましくありませんが、試験では正解です。

10.沈殿室又は沈殿槽のホッパーの表面は、必要に応じて、沈殿作用に支障が生じることのないように仕上げを行うこと。
・これは現場打ちの浄化槽です。

11.接触材、ばっ気装置等を浄化槽に固定する場合においては、ばっ気、かくはん流、振動等によりその機能に支障が生じることのないように行うこと。
・これも現場打ちの浄化槽が主体ですが、FRPでも工事完了時のチェックポイントとなっている。

12.越流ぜきの調整が必要な場合においては、越流水量が均等になるように調整すること。
・FRP浄化槽では工事完了時のチェックポイントで、7条検査でも指摘されるところです。

13.浄化槽内において配管が貫通する部分は、必要に応じて、仕上げを行うこと。
・これも現場打ちの浄化槽です。

14.電気設備については、接地等が適切に行われ、安全上及び機能上の支障がないことを確認すること。
・電動機の保護回路に関する問題や、接地(アース)工事に関する問題がでます。

15.ポンプ、送風機等の機器が正常に作動することを確認すること。
・ポンプ、ブロワの選定基準や性能曲線などが必ず出題されます。

16.工事現場における浄化槽工事に使用する材料及び機器の保管は、品質及び性能に支障が生じないように行うこと。
・セメントや鉄筋の保管等、工事の品質管理が出題されます。

17..工事現場における地盤の崩壊、資材の倒壊等による危害を防止するために必要な措置を講ずること。
・労働安全衛生規則や建設業法等から、工事の安全管理、作業主任者等の条件が出題されます。