環境一般や浄化槽の処理原理に関する用語に解説を入れてみた。沢山あって選択に困るが、どれも重要な項目ばかり。特に黄色マーカー部は重要。

【あ】    【か】    【さ】    【た】    【な】    【は】    【ま】    【や】    【ら】    【わ】

【あ 行】

悪 臭:微生物が炭水化物や蛋白質あるいは脂肪などを分解する時に発生し、特に嫌気状態では強い悪臭を発生する。悪臭防止法では、アンモニア・メチルメルカプタン・硫化水素・硫化メチル・二硫化メチル・トリメチルアミン・アセトアルデヒド・スチレン等々、全部で22種類が「特定悪臭物質」と定められている。

赤 潮:ある海域に動植物性プランクトンが異常発生し、海水を赤色に変色させる現象。富栄養化の証。

亜硝酸性窒素:アンモニアが微生物の作用により、酸化されて生成されたもの。NO2で表わす。亜硝酸性窒素1mg/LはCOD1mg/L(詳しくは1.14mg/L)に相当する。

アリルチオ尿素:ATUと略す。BODを測定するときこれを添加すると、窒素(NO2)由来のBODが測定されず、真の有機物のBODとなる。

アルカリ度:水中の重炭酸塩や水酸化物等のアルカリ分を、炭酸カルシウムに換算した数値。アンモニアが1mg/L酸化される時に、アルカリ度は7mg/L消費される。

アンスラサイト:良質な石炭である無煙炭を破砕して、一定の粒度にしたもので、急速濾過機の濾材に使用する。

アンモニア性窒素:アンモニウムイオンで存在する窒素。蛋白が微生物によって嫌気的、又は好気的に分解されて生成される。イオン状態では臭気は発生しないが、アルカリ性になると、アンモニアガスになり悪臭となる。

異 化:生物が栄養源を好気的あるいは嫌気的に分解し、生命活動に必要なエネルギを得る手段をいう。

エアリフトポンプ:液中に浸した管の中に空気を吹き込むと管の外より比重が軽くなり、液体が管の中を上昇する原理を使ったもの。構造が簡単で故障が少なく、汚泥の返送や引き抜きに多く用いられる。

ABS:合成洗剤の主成分アルキルベンゼンスルフォン酸塩。生物的には難分解性であり、最近はLASといってベンゼン環のない直鎖状のものに切り替わった。

SS:Suspended solidsで、水中に懸濁して溶解しない浮遊物質のこと。有機性のSSはBOD源になる。

SV:Sludge Volumeで、活性汚泥をメスシリンダにとり30分後の沈殿汚泥の%をいう。維持管理上重要な指標である。

SVI:Sludge Volume Indexで、30分静置後の沈殿汚泥1gが占める容量(ml)。これが200以上になると締まりの悪い活性汚泥といえる。活性汚泥法では維持管理上重要な指標である。

越流負荷:沈殿槽で、単位長さ(m)の越流ぜきから単位時間(日)に越流させる処理水量(㎥)をいい、この値を過大にとると、偏流が生じ、汚泥が流れてしまう。単位は ㎥/m・日である。

MLSS:ばっ気槽混合液のSS、つまり活性汚泥の濃度。この中には繊維等も含むため全部が微生物ではないが、きわめて重要な指標である。

MLVSS:MLSSの揮発性の値。MLSSを600℃で焼くと、有機物が灰化する。これが純粋に生物量ではないが、MLSSよりはそれに近い。

塩素イオン:食塩などの塩化物が水溶液中で電離し、陰イオンになっている塩素をいう。し尿中の塩素イオンはおおむね5,500mg/Lであり、処理水の塩素イオン濃度を測定することにより、単独処理浄化槽では、洗い流す水による希釈率が推定できる。

塩素消毒:遊離塩素が細菌の酵素系に作用してその機能を失わせることによる。その効果は水温・pH・接触時間・塩素の量による。一般的には塩素量は5〜10mg/Lで十分である。塩素イオン(例えば食塩水)には消毒効果は全くない。

ORP:酸化還元電位で、その場が酸化状態か還元状態かを判断できる。一般には好気性では(+)で酸化状態、嫌気性では(−)で還元状態である。

オゾン処理:O3は強力な酸化剤で、消毒・脱色・脱臭・ABS分解に有効である。但し多大な電力を消費することと、オゾンそのものに有害性がある。

汚泥返送:活性汚泥法で、ばっ気槽のMLSSを一定に保持するため、沈殿槽の汚泥をばっ気槽に返送することをいう。返送率は正確にはMLSSから算出するが、日常ではSVから判断している。

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【か 行】

解 体:活性汚泥特有の現象で、フロックが壊れ、微細な汚泥片として分散した状態。原因は過ばっ気・アメーバの異常発生・薬品の流入など。

回分式:一定量ずつ何回にも分けて同一操作を行うことで、バッチともいう。回分式浄化槽は一つの槽でばっ気と沈殿を行うもの。

化学的酸素要求量:CODで、JISでは30分100℃での過マンガン酸カリウム法が定められている。CODは有機物だけでなく、亜硝酸などの還元物質もカウントする。

管きょ:管渠は開渠と暗渠の総称として使われる。暗渠の代表例が下水管。

間欠ばっ気:時間的に間隔をおいてばっ気を行う。活性汚泥法では、脱窒素や解体防止に効果的である。

逆 洗:接触ばっ気法では接触材の下部から空気を噴射し、接触材に付着した生物膜を強制的に剥がす動作をいい、砂濾過機では充填層の下部から水または水+空気で砂を洗う動作をいう。

夾雑物:し尿や下水に含まれる紙・ビニール・ボロ布などをいい、スクリーンかすになる。

凝集剤:凝集とは微粒子が集合して、大きな粒子をつくる現象。この現象を起こすために添加する物質を凝集剤という。有機系・無機系があるが、鉄やアルミ系のものはリンと反応するため、高度処理に使用される。

空隙率:充填物の隙間のこと。石や砂ではだいたい50%であり、塩ビの接触材では90%以上である。

原生動物:1個の細胞からなる生物でベン毛虫やせん毛虫類が代表で、特につりがね虫が有名である。汚水処理では、細菌類→原生動物→後生動物の生物ピラミッドが浄化機能を発揮する。

原単位:負荷量を算出するのに必要な単位量当たりの水量や水質の基準量。《例》合併汚水のBOD量は40g-BOD/人・日

公共用水域:水質汚濁防止法では、河川、湖沼、港湾、沿岸海域、その他公共の用に供される水域及びこれに接続する公共溝渠、かんがい用水路その他公共の用に供される水路。

後生動物:原生動物を除いた他のすべての多細胞動物で、原生動物に比較して世代時間が長く、滞留時間の短い活性汚泥法では出現しにくいが、生物膜法ではよく出現する。また後生動物は汚泥を捕食するので汚泥の減量化に役立っている。しかし異常発生すると生物膜を損傷する。

コロイド:水に溶けにくく拡散しにくい物質が水中で分散された状態をいう。通常は、0.1〜10ミクロン(μm)である。汚水中には多量のコロイドが存在している。

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【さ 行】

残留塩素:持続的に消毒効果を示す塩素をいい、次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸イオンが代表である。これがアンモニアと反応すると結合塩素となり、消毒作用は弱くなる。発がん性の問題のあるオルトトリジン法はすでに廃止され、現在では安全性の高いDPD法になっている。

シーディング:種つけのことで、浄化槽の立ち上げを早めるために、他の浄化槽から汚泥をもってきて投入すること。コンポストが使われる場合が多い。

自己酸化:微生物が増殖した後、細胞内に取り込んだ栄養物を活動のための呼吸のエネルギ源として利用することをいう。これにより汚泥量が減少する。内生呼吸ともいう。

糸状菌:真菌類や細菌類で糸状のものの俗称である。これが異常発生すると、活性汚泥が沈殿槽で沈降しなくなる膨化現象(→バルキング)が現われる。

馴養(馴致):微生物を流入物質、pH、温度などの外的条件に馴らすこと。

消 化:普通、嫌気性消化をいう。嫌気性細菌によって汚泥やし尿などの有機物を還元分解し、メタンガスや炭酸ガス、水等に分解する。

硝 化:有機性窒素やアンモニア性窒素が微生物によって酸化され、亜硝酸や硝酸になること。

硝酸性窒素:汚水中の窒素化合物が微生物で酸化される際の最終生成物。NO3

消 毒:人体に有害な病原性微生物を死滅させ、感染力を無くし、衛生上安全にすることで、滅菌とは異なる。

消泡剤:接触ばっ気槽やばっ気槽で発泡が著しい時に使う。成分はシリコンやある種のアルコールが多い。

水素イオン濃度指数いわゆるpH(ピーエイチ)のこと。生し尿はアルカリ側で、浄化槽の処理水は一般的には酸性となる。

スカム:底部に堆積した汚泥が何らかのガスを伴って浮上し、厚いスポンジ状の層を形成し、空気と接している部分が乾固してくる。これをスカムという。

スラブ:コンクリート打ちした床のこと。

生物化学的酸素要求量:ご存じBODのこと。簡単で難しい指標。数値が高いと汚濁が進んでいて、数値が小さいとキレイとだけ憶える。20℃で5日間かかる

生物膜:細菌、藻類、原生動物や後生動物で構成される膜で、河川底部の石ころの表面のヌメリがこれ。

ゼオライト:大谷石みたいなもので、一種のイオン交換物質。アンモニアを吸着する。

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【た 行】

大腸菌群:普通は非病原性であり、衛生上有害というのではないが、「大腸菌が検出されたことは他の病原微生物がその水の中に存在する可能性がある」ということで、処理水中の大腸菌群数は水質汚濁防止法と建築基準法で1㎝3 中3,000個以下とされる。

滞留時間:槽の有効容量を単位時間あたりの流入水量で割った数値。水が槽の中に留まっている時間である。

脱 窒:窒素を除去すること。生物学的脱窒素法ぐらいしか現実には採用されていない。

脱リン:生物学的にも除去できるが維持管理は難しい。一般的にはアルミニウム塩を投入し、リン酸アルミとして沈殿除去する。

DO:溶存酸素、つまり水に溶けている酸素のこと。飽和状態でも20℃では高々8mg/Lである。維持管理の基準では単独槽は0.3mg/L以上、合併槽では1mg/L以上となっている。

同 化:生物が外界から簡単な物質を取り入れ、自己の体を構成する複雑な物質を作る過程をいう。人間が食事をし、これを消化、吸収して筋肉のような複雑な物質を合成する作用など。

透視度:水の透明度を示す指標で、底部の二重十字が識別できる水層の高さのcm。数値が小さい程水質は悪い。とくにSSとの相関が高い。

動水勾配:水が流れるための水頭差と距離の比をいう。

特定施設:有害物質あるいは生活環境に係る被害を生じるおそれがある汚水、又は廃液を公共水域に排出する施設で、水質汚濁防止法施行令で定めたもの。501人以上のし尿浄化槽が指定されているが、201人以上のし尿浄化槽がみなし特定施設となっている。下水道終末処理場や旅館、300床以上の病院などが含まれる。

トリハロメタン:メタンCH4の水素3個がハロゲンで置換されたもの。クロロホルムCHCl3が代表。発ガン性が問題に。

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【な 行】

二次処理:一次処理では除去できない微細な浮遊物質や溶解性の有機物質を、微生物による生物吸着・酸化作用により除去する工程。

農業集落排水事業:農業振興地域の整備に関する法律に基づいて指定される農業振興地域で、国庫補助により行われる農業集落排水施設の整備事業。

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【は 行】

排出係数:流量調整槽から反応槽に送る汚水が日平均汚水量の何倍かを示すもの。構造方法第6の20mg/Lでは1.0である。流量調整比と同じ。

剥 離:生物膜が接触材から剥がれる現象。自然に剥離するのと、強制的に剥離する逆洗操作がある。

ばっ気強度:ばっ気槽単位容量あたり単位時間のばっ気空気量をいう。単位は ㎥-空気/㎡・時で、2〜3程度

バッフル:邪魔板ともいう。水の流れの方向を変えたりスカムが流出しないように設ける板のこと。

バルキング:活性汚泥が白っぽくふわふわした状態になり、沈殿槽で沈降しなくなる現象。活性汚泥法の泣きどころである。このときSVIは200を超え、沈殿槽から汚泥が流出する。原因はかなり分かってきたが対策にはかなりの技術が必要である。

BOD負荷:ばっ気槽などの単位装置に対するBODの量をいう。容量に対する負荷や、汚泥に対する負荷や接触材面積などがあるが、単位をよく考えれば、誰にも分かることである。例えば、容量ならkg-BOD/㎥・日 など。

ppm:百万分率のことだが、最近は使わない。濃度は正式にはmg/L

フローシート:処理装置の水の流れを図解したもの。

フロートスイッチ:液面制御の基本的なもの、水位の上下に応じてON/OFFの信号を送り、ポンプの起動・停止を行う。構造は磁石式のリードスイッチが多い。

フロック:水中の微細な浮遊物が多数集合して、目で見える大きさの集塊になったもの。微生物は増殖する際にゼラチン質の粘性物質を生成し、微生物相互や浮遊物を凝集させてフロックを形成する。

閉 塞:配管の中に異物が詰まるのも閉塞。接触ばっ気槽の接触材の間隙に生物膜が肥厚して水が流れなくなるのも閉塞。砂濾過機の濾材がSS等で詰まるのも閉塞。ほとんど維持管理で解決できる。

ホッパー:汚泥を滑りやすくするため、沈殿槽の底部につけた急勾配の構造としている。この角度を汚泥の安息角といい、一般には60°とする。

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【ま 行】

ミジンコ:節足動物で、代表的なケンミジンコは1個の複眼と二つの触角をもち、これをボートのオールのようにして泳ぐ。水温が高いときで、浄化槽の処理水が良好な時に多く見られ、こらが異常発生すると生物膜を食い破るので水質が悪化する。

水面積負荷:沈殿槽で、単位面積で処理できる水量をいい、この値が大きすぎると汚泥が沈降せず流出してしまう。単位は㎥ /㎡・日である

メタンガス:嫌気条件でメタン菌により生成される。であるが、普通同伴されるガスのため悪臭の源とされる。水にはほとんど溶けず引火性である。

滅 菌:病原性か非病原性かを問わず、全ての微生物を高熱、薬剤等で完全に死滅、除去させ、無菌状態にすること。

毛細管現象:液体を入れた容器に細い管を立てると、管内の液面が外側よりも上昇または下降する現象。この現象を利用した代表がトレンチによる浸透である。

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【や 行】

有機性窒素:アミノ酸、ポリペプチド、蛋白質などの生物学的生産物をはじめ、種々の有機化合物の中に含まれる窒素のこと。

油脂阻集器:オイルトラップ゚、グリストラップのことで、主に浮上油を除去する。油脂は1gでBOD1g以上に相当し、特にレストランのグリストラップの油は1gでなんとBOD6gに相当する。

余剰汚泥:生物処理の過程でBODが汚泥に転換され、過剰蓄積になる場合は系外に排出する必要がある。これを余剰汚泥という。次式が有名
  ΔS=a・Lr −b・Sa
   a:BOD汚泥転換率   b:自己酸化速度定数
   Lr:除去BOD量     Sa:生物量

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【ら 行】

硫化水素:腐った卵の臭いのする猛毒ガス、腐食性がきわめて強く、燃えやすい。嫌気性下で硫酸塩が硫酸還元菌で還元されて生じる。作業基準は10mg/L以下である。これを超えると酸素欠乏等の範疇に入る。

流量調整比:流量調整槽から反応槽に送る汚水が日平均汚水量の何倍かを示すもの。構造方法第6のBOD20mg/Lでは1.0である。排出係数と同じ。

濾 材:嫌気濾床槽の充填物、接触ばっ気槽の接触材、砂濾過の砂などの総称。

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【わ 行】

輪虫(ワムシ):処理水の透明度に深くかかわる後生動物の一種で、せん毛運動で水を取り込み、生体内部で濾過を行っているといわれている。

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