vol 256:お盆





黄泉の国も天界も力を合わせて今、

同じ事をしてる。

闇と戦って負傷した者は、

黄泉の国の薬師の国で治療。

同じ星にあった死の世界がひとつになった。

闇の者も多いものの、

黄泉の国と天界という二つの世界の住人が、

ひとつの事を力を合わせてやっているのは、

地球が生まれてから始めての事やろう。

そんな中、日本ではお盆を迎えた。

「それじゃ、カン明日ね。」

大樹はシロを連れて実家へ。

俺も自分の家に帰る。

もうどれくらいぶりやろ。

たまに電話はしてたものの、

やるべき事に追われて帰ることはなかった。

「たっだいまぁ~。」

玄関を開ける。

相変わらずのオカン登場。

「おかえりぃ。」

「んー。」

久々に会うオカンに、ぎこちないものの、

仏壇でもない、

オカンの信仰する神さんを祀ってる祭壇みたいなとこの前に、

座って線香をたてる。

「墓参りもう行ったん?。」

「いいやぁ。アンタが帰って来るから一緒に行こう思て。」

お参りをして居間に座る。

「幹、なんや傷だらけやないか。」

見た目、傷なんかついてへん。

「そうか?。」

「ボロボロや。」

オカンは笑みを見せる。

オカンに見えてる俺は、生身のこの肉体やなく、

魂の俺なんやろな。













「ただいま。ほら、シロ入って?。」

「・・・。」

「あらぁ、おかえりなさい。」

「ただいま、母さん。」

「こんにちわ、シロちゃん。」

「こ・・・んにち、わ。」

昨夜、母さんにシロの話をした。







「あ、母さん?俺、大樹。
あぁ、元気だよ。うん、カンも元気にしてる。
あのさ、明日帰るんだけど、
今、カンと弥勒っていう友達と住んでるんだ。
それでね?もう一人、シロって言う男の子、まだ子供なんだけど。
身よりがなくて、カンと引き取ることにしたんだ。
その子も連れて帰るから。」







父さんと母さんは、

難民やらのボランティアにも熱心な人で、

あまり驚かずにシロの話も受け入れてくれた。

「ほら、中に入って?。」

母さんはシロに手を差し出し、

シロは慣れないながらも子供として、

その手に触れて家の中に入った。

「父さんは?。」

「お父さん、シロちゃんと花火するんだって、
今買いに行ってるの。」

「はは・・・花火。」

「さぁ!シロちゃん?
おばさん、いっぱいお菓子作ったの。
たくさん食べて、自分の家みたいにくつろいでちょうだい?。」

シロは俺に視線を向ける。

俺は笑んでゆっくり頷いた。

「いただ・・・きます。」

母さんはシロにベッタリ。

俺は、庭に出た。

「お、花子。」

「ワンワン!。」

縁側に座って俺の元に来た犬の花子の頭を撫でる。

花子~~~って、

まだ高校生のカンがよく花子と遊んでたのを思い出した。

「お前も、歳いったな。」

「クゥ~ン。」

カンが連れて来た時はドロドロの子犬で、

カンも俯いて酷く心が傷ついていて。

カンとの思い出しか浮かばない。

(大樹・・・。)

名を呼ばれて振り向いた先は、

和室で、仏壇の部屋。

そこには、俺のひい爺さん、

海軍で戦死した爺さんが立っていた。

「あ、そうか。お盆で帰って来てくれたんですね。」

この爺さんと会うのは去年と今年で2回目。

カンが、導いてくれたんだ。










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