vol 161:闇の心境






(サタン様!。)

「やぁ。元気かい?。」






僕は闇の世界の住人にニッコリ笑んで答えながら歩く。

(本当にサタンが帰って来た。)

ザワザワと闇の住人共が僕がこの世界に居る事にざわついている。

人間の体で長くいたせいか、

この世界の気が重く暗いのが良くわかる。

人間の悲鳴。

争い。

全ての悪がこの世界に充満してるんだよねぇ。

僕は息を深く吸い込む。

現実に空気なんてこの世界に存在しない。

匂いも存在しないはずが、

僕が創りあげた沼のようなにおい。

落ち着く。

俗に言う良い事を人間に教えている今の僕。

「フフ・・・。」

笑える。

でも、そんな僕を信じ、落ちて行く人間をこの先、

見られるとしたら、





「究極の楽しみだねぇ。」






僕はこの世界を見渡せる岩山のてっぺんで一人、

自分の世界で心を満たす。

サタンと恐れられるこの僕にも、

崩れそうな時があるから。






カンを見守る神々を目の当たりにして、

僕の中での不安と嫉妬が乱れてくる。

僕が心苦しい時、

誰ひとり、心から僕を心配する者はいない。

それで良かったはずで、

僕はそれを望んでる。






神に創られた僕の弱い心。

憎らしい。

「カン・・・。」

君が欲しい。

君なら僕のそばに居てくれる。

僕を心から愛し、僕を抱きしめてくれる。

神の子。

天の子。

悪にとっても、愛が強いのは当たり前な事で、

人間の苦しみこそまた、僕らの源となる。

カンの心が悪に満ちた時、

この国は大きなものとなる。

人間をこの世界に引きづり込むのは簡単な事。

でも、

神の子であり、天の子のカンはそうはいかない。








そして、こんな僕をカンに見せる。







君はきっと、僕を助けようとするよね?。










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