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vol 119:魂と
今、俺・・・韓国にいます!。
昨日、プロデューサーから連絡があり、
ハランに話を通せたから韓国に会いに行くってな内容で。
プロデューサーの空いてる日が次の日しかなく、
仕事を徹夜で終らせて、今、韓国到着。
「韓国って日本から1時間半ぐらいで着くんやなぁ~。」
「大阪から東京くらいなもんだな。」
俺とプロデューサーの二人だけ。
韓国は他の国とは違って、
行きかう人はみんな日本人と同じような顔。
でも、やっぱ雰囲気は違う。
「カン、乗って。」
タクシーに乗り込むプロデューサに続いて乗り込み、
何かが書かれた紙を運転手に見せ車が走り出す。
「なんそれ?。」
「住所。」
窓を流れる景色を見つめ、
徐々に緊張感が増す。
俺を肉体は覚えてるんやろか。
拒否されたら?。
「・・・はぁ。」
つい溜息がこぼれる。
「なに?いつも強気なカンちゃん。」
俺の溜息と表情にククッと笑うプロデューサー。
「べ、別にぃ。」
20分くらい走ったんかな。
車が止まってプロデューサーが支払いを済ませる。
くそ・・・なんや降りたくない。
「カン、ほら着いた。」
タクシーを降りると、すぐにタクシーは走り去り、
やたらデカい家の階段をスタスタ上がって行く後ろを、
ノタノタ上がる。
インターフォンを鳴らしては、
暫くしてドアが開いた。
ハラン・・・。
「どうも。日本の・・・です。」
「あー、どもー。」
初めて生で見たハランに俺は目が点になってた。
「はぁ・・・カン!。」
「え?あ、あ、はい!。」
俺の態度に呆れて名を呼ぶプロデューサーに、
慌てて階段を駆け上がって、
俺を見るハランに小さく会釈した。
「彼が作家の戌尾です。」
ハランは俺を見るも、反応は無く、
「なか、どぞ。」
片言の日本語を話して中に招いた。
やっぱり・・・覚えてへん。
アカン・・・泣きそうや。
家の中に入って広いリビングのソファーに腰を下ろす。
ハランはキッチンに入って行った。
「おい、カン。どうした?。」
隣に座っているプロデューサーは、
あまりの俺の異変に心配そうに問いかける。
「・・・なぁ、ちょっと、
二人にしてくれへん?。」
「二人?でも、今から説明を、。」
「うん。その説明の前に話したいことあるねん。」
普段と明らかに違う俺に、
プロデューサーは解った言うてキッチンのハランの所に行き、
事情を説明して家から出て行った。
ハランはキッチンから両手にマグカップを持って現れ、
俺の向かいに座り、
「コーヒー、だいじょうぶですか?。」
1つのマグカップを俺の前に置いた。
俯いたままの俺。
ハランを見やな。
ゆっくり深呼吸して顔を上げてハランと視線を合わす。
「ハラン、俺覚えてへんか?。」
視線が合ったハランは逆に俯いて、
眉尻下げて戸惑った顔をした。
俺は立ち上がってはハランの隣に座り、
俺を見たハランの左胸に手を伸ばして触れ、
目を閉じて気を送り込む。
思い出せ・・・ハラン。
俺や。
やっと会えた。
「・・・っ。」
胸に触れた俺の手首をハランが掴み、
俺は閉じた目を開ける。
ハランは泣いてた。
「は・・・らん?。」
「ゆめ・・・。」
「え?。」
「だとおもってた。」
魂で感じていた事をハランは、
夢を見ているか、妄想やと思ってた。
覚えてる。
俺は笑みを浮かべ、
「夢やないよ。現実に会ってたんや、ハラン。」
涙で濡れた頬に触れてやり、
このハランの態度で俺の緊張も不安もなくなった。
「信じられへんかもしれんけど、
お前の魂は俺を今感じてるはずや。」
手首を掴むハランの手にもう片方の手を触れさせる。
「ハラン?遅なってごめんなぁ。」
ずっと言いたかったこの言葉。
やっと言えた。
「カン・・・。」
俺の名を呼んで左右に頭を振り、
そのまま俺を引っ張って抱きしめた。
ハランの背中に触れて撫でてやる。
ハランは体を震わせて泣く。
ハランの魂が一気に肉体へと溢れ出た。
俺の魂の親友。
俺にとっても、霊じゃない相手とのこういった事は初めてで、
きっと弥勒も興味深い事やろう。
暫く抱き合っては、ハランが落ち着くの待って、
その後は、魂で会って話した事を思い出しては、
二人で笑った。
そして、
「カン、おんなのこだったのに!
おとこ!!。」
「えぇ~!!!。」
と俺の魂を見てたハランの感想を聞きつつも、
仕事の話しをしては二人で真面目になり、
外で不安がっているプロデューサーの事を思い出したのは、
1時間以上も過ぎてからやった。
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