vol 115:魂の友達





もうどれぐらい経つかなぁ~。

まだ高校生の頃、生きてる人間の魂と友達になった。

そいつは韓国のいわゆる芸能人で、

日本でも人気が半端やない。

でも、今は・・・芸能活動が上手くいってないみたいや。

報道される解散話しに、映像で映るいままでと明らかに違う表情。

「・・・お前ら、ホンマ大丈夫なん?。」

ポテチを食べながらテレビを見て問う。

(大丈夫じゃないよ。)

あの高校の時に出会ってから、

こいつは体から霊体が抜けては俺んとこに来るようになって、

今や魂とは親友や。

「なぁ、ハラン?。」

(ん?。)

「もうちょい待ってて。
俺が小説でデビューしたら、絶対にお前を救うから。」

(カン・・・。)

「そのかわり、肉体に戻った時に俺を覚えとけよ?。」

生霊が肉体に戻ると大概は霊体での出来事を忘れ、
ただただ、体調が悪くなる。

このグループは無くなるには勿体無すぎるんや。







そして、今俺は、。

「カン、このキャラの声は彼で決まりか?。」

「せやな。雰囲気もピッタリや。」

声優選びの真っ最中。

「じゃー、ヒロイン的なこのキャラは誰にする?。」

ヒロインと言うても、この本は俺の体験談で・・・、
そのヒロイン的いうキャラは実際は大樹のことで。

「あ・・・。」

「あ?。」

「そいつの声は決まってるねん!
韓国のハラン!。」

「か、韓国?。」

完全に日本人のキャラクターの声優に韓国の言葉が出た事で、
プロデューサーは目を丸くした。

「カン、これ日本人だ。
韓国人にその役をって事か?。」

俺は身を乗り出して大きく頭を上下に揺らして頷き、

「絶対に!このキャラの声はハランにしか出来ん!。」

そんな事はまぁない。
せやけど、救うって約束した。

「いや、ん~・・・。」

唸り声を上げるプロデューサー。

「アカンで!絶対にハランや!。」

「ハランって誰?。」

「あ・・・。」

俺はそのグループの名前を出すと、すぐにプロデューサーは気付き、

「えぇ!ちょ、彼等?。」

「そう!なんやったらアニメの主題歌も!。」

俺はプロデューサーの表情に押されることなく、
逆に勢い任せに押す。

「いや、でも・・・彼等は難しいんじゃないかな~。
ずっと自分の事務所とも揉めてるって報道流れてるし。」

「そ、そうかもしれんけど、俺が言うてる奴は、ハランや。
せやから事務所にやのうて、本人に直接やるかどうか、。」

「カン、この業界はまず事務所に依頼する。」

「アカン!俺はまず本人にやるかどうかを聞く!。」

ベテラン業界人に、ど素人の俺が意地をみせる。

頼む!

暫く沈黙が続いて、プロデューサーの視線が俺と合った。

「・・・わかった。連絡をとってみる。」

「マジで!!。」

俺は満面の笑みに変わり、

「でも!・・・でも、向こうが承諾する可能性は低いと思え。
未だかなりの人気だ。金の話しも出てくる。
そこまでこっちも出せるかどうかだからな。」

「・・・あの、その話しを事務所にもっていく前に、
ハランに俺から依頼させてもらえませんか?。」

「いや、だから、。」

「それは解ったから!
違うねん、もし彼に意気込みがなかったら、
この小説には不向きになる。」

「相手は韓国人で、日本語も流暢じゃないんだぞ。」

「そうや。だから、意気込みを知りたい。
やる気があるんやったら俺が流暢にさせる。」

「・・・。」

「約束したんや・・・救うって。
俺と彼にチャンスをくれ!プロデューサー!。」

全部説明したい。

こんな事があって、ハランとは魂が友達やって。

でも・・・言えるわけない。

「・・・・。」

「・・・・。」

「・・・わかった!
も~!カンには参るよ俺~!。」

「やった~!。」






ハラン、俺は約束を守る。

お前は俺の約束を守れてるか?。

俺を肉体は覚えてるんやろうか・・・。














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