vol 216:厄介な事の始まり






現地の新聞で初めて知った。

「ちょ、シロこれ!。」

シロに慌てて新聞を見せる。

「・・・読めぬ。」

「あぁ、そっか。
日本大地震だって。
マグニチュード8。
死者2000人。」

「電話!弥勒、電話は?!。」

「え?あぁ。」

ホテルから国際電話をかける。

《もしもーし?。》

眠そうなカンの声を聞いてホッとした。

「カン?新聞で知ったんだけど、
地震大丈夫なのか?。」

《あー、東京とかはかなりダメージ受けとるけど、
近畿から下は影響ないよ。》

「どんな状況になってる?。」

《んー、品不足にいまだに余震。
原発の爆発で放射能漏れ。
けど、止まりそうや。》

「原因わかったのか?。」

カンから原因やカンたちの行動を聞く。

「そんな・・・。」

《弥勒~、弥勒~、弥勒ぅ~。》

「?。」

《眠い・・・時差、時差。》

「あ、。」

すっかり時差を忘れて電話をしていた。

理由も状況も解ったので、また電話すると切る。

シロに聞いた事を話す。

「弥勒よ・・・我は神々の考えが解らぬ。
滅ぼし方も昔のやり方と何の変わりもない。」

「水で洗い流す・・・か。
戦争は闇の者が指示する上で得意だろうけどな。
で、これ。」

新聞のひとつの記事を指差しシロに見せた。

「この災害に主の生まれ変わり、
イエス・ブラッドが日本に来日。」

今までも災害なんかは、いろいろな国が大きな被害にあってきた。

でも、それは地球からのメッセージ。

今回は大きく違う。

神々の審判が始まったんだ。

カンの抗議のおかげで、

全ての滅びは免れた。

だから生きる者と死ぬ者の審判なんだ。

カンもいろいろ動いてるみたいだし、

俺もそこに参加したいものの、

俺とシロにはやらなきゃいけない事がある。

「シロ、気になるところだけど、
俺たちは俺たちのやるべきことをやらねーとな。」

「うむ。今日はゴルゴタの丘に行く。」

「そうだな。目的はそこだし。」

場所が決まると、行く準備をする。

主が歩いたとされるヴィア・ドロローサ、

悲しみの道を歩いて行くことにした。

現地の人も観光客も予想以上に多く、

生きてる人間もさることながら、

天使や死者の数もまた多い。

俺達を見付けては珍しそうに憑いて来る。

(何しに行く。)

(異教徒が何の用だ。)

天使達とは違い、

この場所にいる霊たち。

やっぱり、異教徒は論外の存在なのか。

異教徒が何の用だと聞かれて、

どう答えようか迷うところ。

きっと話しは通じない。

だが・・・。

「我らはそなたらの神の場所に興味があって来たのだ。」

シロは答える。

(興味だと?。)

(異教徒の入る場所ではない。)

(立ち去れ。)

(立ち去れ。)

ほら、きた。

「そなたらの神は自分の子しか受け入れぬと言うのか?。」

(立ち去れ。)

「シロ・・・やめとけ。」

「なんとも、慈悲の心が欠けておるな。」

(悪魔め!!!!。)

『きゃぁあああ!。』

壁の石が急に落ちて来る。

「お前・・・そういうとこカンに似てきたな。」

「何?。」

「思ったことを言うとこだ。
でも、カンよりもストレート過ぎ。」

苦笑して周りの観光客に視線をやると、

どこか不安そうな顔をしている。

そらそうだ。

今のやり取りも解らず、

不自然に石が落ちてきたんだから。

「あんまり、興奮させんなって。
通じないのは解ってんだろ?。」

「しかし、っ!!。」

シロの足が立ち止った。

シロの体には3人の霊がしがみ付き、

(悪魔め・・・悪魔め・・・。)

(立ち去れ・・・。)

(立ち去れ・・・。)

さっそく、厄介な事になりそうだ。







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