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vol 96:神々の指示
「は?海外?。」
「弥勒、海外に行くの?!。」
神々の指示を受けての事だった。
「あぁ、急に決まった事でな。」
「海外ってどこに行くねん?。」
「アフガニスタン。」
「アフガニスタン?。」
「アフガニスタンって難民キャンプへのボランティア?。」
「いいや。ただ、行けとの事だ。
カンも一緒に。」
大樹の顔ときたら・・・。
「お、俺も?。」
「ちょっと、なんでカンも!
アフガニスタンって、まだテロやらいろいろと、。」
「神々の指示だ。
大樹、落ち着け。」
眉尻下げて大樹の肩に手を置くも、
睨み返され、
「落ち着けるわけないだろ!
俺は学校が始まるから行けないし!
カンだって仕事がっ、。」
「俺は今から小説をアニメにするらしいから、
それまではパソコンさえあればなんとかなるけど。」
「カン!。」
「大樹、神々の指示だって言ってるだろ?
それでも反対するのか?。」
「・・・俺は今、根性の修業中だから、
これもマスターしなきゃならないんだろ。」
不貞腐れて言う大樹の気持ちも痛い程よく解る。
自分だけおいて行かれる事に良く思う奴なんていない。
そして、大樹は理解している分、
反発を抑えなければならない。
カンは神々の指示と言われれば、
文句もなかった。
飛行機やパスポートの手配を済ませて、
大樹の見送るなか、俺とカンは空港で大樹と別れ飛行機に乗り込み、
日本を離れる。
「弥勒、坊さんの格好やないんやな。」
俺は濃いブラウンのパンツに黒のシャツ、
上着にはパンツと同色のジャケットを。
普段、どこに行くのも坊主の格好だが、
アフガニスタンはイスラムの国。
そこに他宗教の格好で行くのは自殺行為とも言える。
カンはジーンズに白のネックシャツにダウンジャケット。
芸能人になったからなのか、
見た目が華やかに見える。
日本からアフガニスタンまでは、約10時間余り。
俺は知らない国に行く事にすら不安などは感じやしない。
驚いたのは、カンだ。
コイツも不安すら感じていないように見える。
アフガニスタンでは日本人拉致やテロ、
内戦が今もなお続く国。
それを知らないはずもないはずなんだが。
「カン。」
「あー?。」
「お前、不安とかないのか?。」
「なんのぉ。」
「・・・今から行く場所に対して。
何をするとかの説明もないのに。」
俺の問いかけにカンはヘラリと笑い、
「神々の指示に、不安も何もないっちゅーねん。」
この度胸というか、なんというか。
神と関わり、神の存在、神の考えを知っているからこその安心感。
「結構時間かかるし、寝るか。」
「おぅ。」
俺とカンは長い飛行時間を寝て過ごした。
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