vol 214:正しいことの判断





「カン!。」

「行くんや大樹!はよせなアカン!。」

「わかった!。」

大樹とじぃさんに向かって女神は両手、手のひらを向けて、

大きな波を起こさせる。

「うわ!。」

じぃさんは海の神でも、

女神の力との差は歴然や。

大きな揺れに大樹とじぃさんは霊気を吸い取られる。

「大樹!蛇や!
蛇は水でも泳げるやろ!。」

「そうか。」

大樹は灰色の大蛇に姿を変える。

「大綿津見神、俺の背中に乗ってください!。」

(うむ!。)

さっき俺らが来た見たいに、

その場所に集中すれば目的の場所に行くことは出来る。

けど、この海は女神の領域。

結界も張られて大樹やじぃさんは気を吸い取られていく。

うまく力を発揮できない。

その点、俺は女神と同じ神の生まれ。

女神に近付くと女神の両手を掴む。

(何の真似です?。)

「なぁ、邪魔せんといて?
神々が決めたとしても、それが正しい判断なんか?。」

(何を。神々の判断に間違いなどない。)

「へぇ~。
命の大事さ、愛を語って来た神々が、
弱い命を奪ってる。
これが当たり前言うんか?。」

女神は顔をしかめた。

(だが、これは神の、。)

「神のなんや?
神の命令やからやる言うんか?
アンタ、それでも女神か?
この地震で、この綺麗な海にも被害及ぼす。
見てみ?。」

俺は女神の手を掴んだまま、海の上に昇る。

(!!。)

女神は絶句した。

船や瓦礫がどんどん海に流れ、

海の水も泥が混じり、

沿岸は木クズや船の残骸だらけになっている。

「見てみ。
そんで、この人達の命。」

そのゴミにまぎれて多くの死体。

「あれは、。」

男が両手を動かしてる。

海の中で、まだ生きてる。

俺は慌てて向かうも、俺は今、

肉体やない。

なんとか集中して男の体に触れるも力はまったく入らへんから、

上に持ち上げることも出来ない。

「クソ!。」

男の動きが鈍くなる。

駄目か!。

女神の両手が男に触れた。

男はどんどん水流の力で上へと上がり、

水から顔を出す。

そのまま、水の動きで、岸まで流され命が助かった。

「アンタ・・・。」

(私は女神。この者は漁師。
目の前で死なすわけにはいきません。
救うなと言われてはないですし・・・。)

「そっか。ありがとう。」

俺は女神に頭を下げた。

「地震を止める手伝いをしてくれとは言わん。
神々に背くのが怖い、
神々の判断は正しい言うんやったらそれでえぇよ。
ただ、自分は一人でも多くの命を救うまでや。」

ニッと笑みを見せて俺は大樹の元に向かった。









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