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vol 187:神々の判断
(これはどういう事でしょう。)
(地球の神の子がまさか・・・。)
(反乱ではないか!。)
(我々の判断に対しての侮辱。)
宇宙の神々の目は、
カンに既に向いていた。
(この子は天の子。
清らかな光で人々を導くであろう。)
(導かれては困る!。)
(そう。地球人にはたくさんの時間を与えてきました。)
(これ以上、同じ過ちをおかさせてはならない。)
神々の判断は、天の子をどう処罰するか。
邪魔をしないように。
(宇宙の神々よ!
どうか、我が子の想いを見よ!。
間違った考えであろうか!。)
地球の神は宇宙の神々に叫んだ。
私は解っていた。
こうなることも。
カンに対して、皆がこういう判断を下す事も。
(地球の神。)
(大日如来。)
集会の場に一人座り込んで頭を抱えている、
地球の神に私は声をかけた。
(大日如来よ。
そなたは我が子の祖母でもあろう?
なぜ、何も言ってはくれぬ。)
(地球の神、天の神。
宇宙の神々にもいろいろな神がいる。
ここで私が何か発言したとしても、
人間の過ちの数にはとうてい敵わぬ。)
(しかし!。)
(まぁ、待つのです。
今、私は宇宙の神々の中で、
我らと同じ考えの者を集めています。
そなたの子は強い。
迷いが現れようと、
その迷いに屈しぬ力も持っている。
あの子は素晴らしい女神なのです。)
(私はどうすればよいのだ・・・。)
(そなたは、近々、神々に連行されると言う事を、
カンに教えなさい。
そして、時期はもうすぐ目の前まで来ていることを、
カンは感じるでしょう。)
(我が子が連行など。)
(これにもまた意味があるのです。)
「たーいーじゅ~。」
「もー、カン、駄目だよ。
こんな熱があるのに。」
額に熱を冷ますシートを貼ったカンが、
僕に甘える。
「なんだ?風邪?。」
それを見た弥勒がリビングを通り過ぎる際に、
声をかけた。
「うん。38度5分あって。
それなのに、ベッドに行かないんだ。」
コタツで俺の膝に頭を乗せてボーっとするカンの、
頭を撫でるとカンは目を閉じた。
「ハァ・・・。イチャイチャも良いけど、
移すなよ?。」
弥勒は呆れて部屋に戻る。
「なんや・・・久々に恋人っぽいな。」
小さく呟く言葉に俺は少し驚いた。
恋人らしい発言はカンはあまりしないから。
熱のせいかな?
弱々しく見える。
「そうだね。ずっとカンは忙しいから。
カンが企画した苗木、
すごい勢いで広まってるらしいよ?。」
「マジでぇ?。」
「マジで。自然がたくさん増えれば、
地球は少しでも楽に呼吸出来るかな?。」
「自然が増えるってことは、
地球だけじゃないくて、生き物も過ごしやすくなる。」
「・・・そうだね。」
カンが体調を壊したのは、
生きてる世界でも、忙しいのに、
あの世にも行って活動してるから。
気力も体力ももたない。
出来る事なら、休ませたいのに、
俺達の目的としている事に時間がないんだ。
もうすぐ、また1年が終わる。
どんどん酷くなる世の中で、
俺達がしていることで、
良くなることは全く追い付かない。
何千年、何億年の月日で積み重ねられた、
地球への影響を、
この先、どれだけ楽にさせてやれるんだろう。
「たいじゅ?。」
「ん。カン、ベッドに行こう?
一人にしないから。一緒に寝るから・・・ね?。」
俺は弱った体のカンを抱き上げて、
寝室に向かい、ベッドに寝かせては隣に寝て抱きしめた。
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