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vol 221:蛇の国
黄泉の国は、それぞれの国に分かれている。
蛇の国に行く。
死んだ蛇も勿論多い。
けど、動物は今回の震災で死んだものは少なく、
自然死したものも少ない。
密猟での犠牲者が多いんだ。
「母さん。」
(チビ神。)
大神が笑顔で出迎えてくれた。
「日本の災害で、ここは動いてないの?。」
(いいえ。我々を信仰している人間もおります。
つい先ほど、此処に戻ったところ。)
「何かあったの?。」
(えぇ。
生きている者からの声が増していて。)
蛇という生き物は、
とても霊界に近い力を持っている。
動物は人間よりも皆、そういう力が強いんだけど、
蛇と猫と象はその力が強いんだ。
そして、
蛇は中でも、人に嫌われる存在であった時期が長い分、
気性も荒くなり、
それで生きて来たにもかかわらず、
近年、蛇マニアが増え、
蛇を捕獲して飼っている人間への憎しみが増加してる。
「どうしようもないのが現実なんだけどね。」
(そうですね。
それを受け入れられる者は少ないでしょう。)
母さんは悲しげに笑んで見せた。
人間が悪いのに、蛇に解れという矛盾を言っては、
理解出来ない蛇から文句を言われてしまう。
それが嫌なら、人間に抵抗し、
そして殺されてしまうのが蛇の現実。
(チビ神よ、お前は何用か。)
「うん。日本の災害で黄泉の国のみんなが、
慌ただしいから、何か出来ることがあればと思って。
先に国に戻りました。」
(そうですか。
では、お前に美輪に来る者の元へ行ってもらいたいのですが。)
美輪には、全国から参拝に来る。
勿論、災害で亡くなった人の中にも、
我々を信仰していた人がいるんだ。
「わかった。」
けど、実際、蛇の国に来ても、
この国で住みたいって人間は滅多にいない。
大神は人の姿で出迎えはしないから、
その大蛇の姿を見ては脅えを見せる。
シロが人間嫌いだったのは、
幼い頃からそれを見てるから。
生前、頼むだけ頼んで、
見守られていた神の本来の姿を目の当たりにした時、
人間は脅え、神としてではなく、
蛇として見てしまう。
そんな人は、皆、阿弥陀如来の国に。
(チビ神?。)
「え、あ、うん。」
どこの世界も、人間という生き物は、
神の愛と慈悲にどっぷり浸かっていた為、
感情が難しい生き物になったんだって俺は感じた。
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