vol 255:生死ある者の希望





(ほらぁ~。神さんなんかどこにいる?
どこ見渡してもいねーじゃねーかぁ。
神も仏も実際は冷たいもんなんだって。
こんなに死んだ者もほったらかしでよ?)

悪霊が死んだばかりの霊を自分たち側に誘う。

(見てみろ。いるか?。)

勿論、霊は戸惑い心を揺さぶられて、

今の現状に信じざるおえない。

俺が動くまで、どれ程の霊が悪霊となったのだろう。

体を離れた俺は空高く昇り、

意識を集中させる。

目映いオレンジ色の光を地上に向けて放った。

(な?ほら、俺たちの場所なら神よりも慈悲深い人が、。)

(光だ!。)

(何っ?!。)

彷徨っていた霊たちに降り注ぐ光。

悪魔には効かなくても、

悪霊は眩しくて蹲っていく。

これが、

これが俺の光だ。

「皆よ!聞くがよい!
今、人間は多くの者が命を落とし、
途方に暮れている!
自分たちが信仰してきた神や仏、
先祖は、何故自分たちを導かないのか。」

俺は出来る限り理解出来る範囲で短く説明する。

「そして、この時の為に、
私、弥勒菩薩が皆を導くのだ!
さぁ!命を落とした霊達よ!
私の光を歩み、
それぞれの国に行きなさい!
途中、子狐が案内をしてくれる。
迷わず、信じ進みなさい!。」

俺はそう言って、

更に光の道筋をそれぞれの国に分けて飛ばした。

どんどん霊達が光に向かって歩んでくる。










「弥勒、成功したみたいだね。」

「うむ。どんどん霊魂が上がって行く。」

「この光景、生きてる者全員に見せてやりたいわ。」

オレンジ色の空へと延びた光の橋に沿って、

青白い光の玉がどんどん進んで昇っていく。

それは、死んだって言う悲しい事でもあるけど、

死んだ先の希望の光でもあって、

死に対して不安を取り除ける生死ある者にとっては、

とてつもない救いの光景や。

「よっしゃ!俺らはコイツらをさっさと闇に還すで?。」

「そうだね。」

「うむ。」

化け物じみた悪魔に必死になって俺らは戦う。

せやけど、

この戦いが先に来る戦いよりも、

はるかに可愛いもんやとは今の俺らには気づけんかった。






                255      次のページ








254話に戻る
戻る

花手毬