vol 144:苦悩





時の流れというものは、

拒んでも、逆らっても、

何をしても流れてしまう。





俺はあの世で生まれ、

幼い頃から仏の道を学び、

将来を決められていた。

56億7000万年後に人間界に降りるということ。

調べていくにつれ、

わかった事がある。

この地球という星以外にも星があり、

それらが存在している場所は宇宙だ。

そして、その宇宙の他にも宇宙がある。

宇宙の中に地球があるように、

宇宙もまた、それ以外の物の中にある、

ひとつの宇宙。






闇の力で人間は破滅に進んでる。

勿論、人間自身がその道をつくった。

だけど、

科学で解ってる事は、

この星が太陽に近付いて行ってること。

太陽にのみこまれること。

その流れをつくっているのは、

何度教えても学ばない地球に存在する人間への、

結果を宇宙の神々の審判によって決められた結果。






神々を心から信仰し、

生きる価値のある人間は、

実に少ない。

その人間も、生き残っても、

子孫をつくり、

繁栄させ、

そこにまた闇が生まれてしまう。

何度も何度も繰り返す。

神と同じ知恵を持つ人間だからだ。





カンは気付いているのか。

この事を知ってるんだろうか。

救世主と言い伝えられ、

この世界に降りて来た俺の役目を知る。

肉体の救世主ではなく、

心の救世主なんだと。

最後を見届け、

沢山の浮いた魂をあの世に連れて行く、

それが俺の役目なんだと知る。







今まで関わってきた人間の顔が頭から離れやしねぇ。

そして、

この世界で生きている、

カンや大樹、シロの顔が離れない。

初めて感じた気持ち。






辛い。






未来は決められたもの。

未来を変えると思うことも、

変わる事も決められたこと。

自分の手で未来を切り開くのも、

それもまた決められたもの。






それを解っていながらも、

未来をどうにかしたいと考えちまう。










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