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vol 182:小さな天使の会議
私にはどうにも出来ない。
(これ以上、人間に地球を滅ぼさせてはならない。)
(人間は成長はしても、大事な事を解ってはいない。)
(審判はもう終わった。)
(終わった。)
宇宙の神々の言葉は、もっともな意見。
恵まれたこの星を人間で滅ぼすわけにはいかんのだ。
我が息子が身をもって伝えたことも、
黄泉の国の神々が教えてきたことも、
心の底から理解できている者などいくらかの人間。
そのわずかな人間に託して来たが、
その者が亡くなれば、また、新たな者は元に戻ってしまう。
どこの星にもいろいろな問題を抱えているというのに。
「パパ!たっだいまぁ~。」
庭で人間界を見ていたところ、後ろからの声に振り向いた。
(娘よ!戻ったか!。)
この子もまた、その人間と地球、その他の生き物を救う為に、
日々頑張っている。
(神様だ・・・。)
(うわぁ~。)
カンの後ろに5人くらいの小さな天使。
(カン、その者たちは・・・。)
「せやねん。パパにきっといい案を出してくれる、
ちっさい天使たちを連れて来た。」
天使たちはモジモジとしている。
大人の天使でも、我と間近での会話はすることはない。
(この・・・天使たちがか?。)
「そうや?ちっさいからって言うて、
バカにも出来ん答えもってるねん。
大人の方が、変な知恵もあるから。」
カンは天使たちに手招きし、私のそばに来させた。
(こ、こんにちわ!神様!。)
(こ、ここんにちわ!。)
なんと愛らしい。
(よく来た、愛らしい我が子たちよ。)
私がにっこり笑むと天使達の緊張もほぐれたのか、
満面の笑みを見せる。
「さぁ!会議や!。」
カンはそういうと地面に座り、天使達もカンを筆頭に、
輪になるように座りだした。
私も腰を下ろす。
「みんな、人間のことどう思う?。」
(だいっきらい!。)
カンが質問しだすと、次々に天使たちが発言しだす。
「ほぉ~。それはなんでや?。」
(だって、動物を同じ命なのに見下してるもんね!。)
「あー。確かに人間様様やからなぁ。」
(あら、でも、我が子のように共存している人間もいるわ?。)
(に、人間は、あかちゃんを産める!。)
(とても痛そうなのにね。あははは。)
(だけど、人間は殺し合うよ?。)
(それは生きるためよ。)
(いらない分の命まで奪ってるよ?。)
いろいろな意見が飛び交っている。
正直で、見て感じたままを。
「よし!そんなら、その人間や生き物ぜーんぶ、
滅ぼすのはどうやろか?。」
(ダメ!。)
(だめ!。)
(ダメだよ!。)
私は驚いた。
天使たち全員否定をしたからだ。
「なんで、アカン?。」
(だって!赤ちゃんや、小さな子どもたちがいるもの!。)
(神様を信じてる人間もいるよ?。)
(滅ぼすってどうやって滅ぼすの?。)
「悪魔にやらせるんや。」
(!。)
天使達は絶句した。
「それって、どうやろか。」
皆が頭を左右に大きく振り、
(どうして悪魔にやらせるの?。)
(悪魔がかわいそう・・・。)
(あ、悪魔が可哀想だと?。)
私は口を挟まずにいられなかった。
(はい、神様。)
(何故、悪魔が可哀想なのだ。)
(・・・。)
天使達は皆無言になり、
「それは、悪魔は罪を背負って永遠に這い上がれん、
地獄におくられる。
神々が決めた事は罪をおかすこと。
神々が悪魔を利用する言うことになる。」
カンは私を見つめて答えた。
(だが・・・それではどうしろと言う。
天界の者に罪をおかさせるわけにはいかん。
そして、人間は再び滅びる定めを自ら選んだのだ。)
「誰ひとり、滅びたいなんて願ってへんよ。」
(カンよ、私にこれ以上どうしろというのだ。)
「神々の審判やなく、パパの気持ちで動いて欲しい。
パパが、ホンマに滅ぼしたいんやったら、
パパの手で滅ぼすべきや。
でも、そうやないんやったら、
あきらめんと、抗議してほしい。」
小さな天使たちはカンの言葉にウンウン頷いて、
皆で私を見つめた。
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